LiSAデビュー11周年、夢を叶えた「特別な場所」で見せた新たな決意

次へと進むための言葉が紡がれた“手紙”

ギターのアルペジオに乗せて、LiSAが「まだまだみんなとやりたいこと、いっぱいあったんだよ。まだまだみんなと行きたい場所、やりたいこと、本当は声を出したりさ、下に降りていってさ、みんなに会いに行ったりさ、やりたいこといっぱいあったんだよ。やれないことなんて数えてもしょうがないけど、でも私たち、2022年4月20日は今日しかないんだよ。楽しめる?」とオーディエンスに語りかけると、その流れで「LiTTLE DEViL PARADE」を歌い始める。スローテンポからバンド演奏が加わってテンポアップしていく流れ、そしてパンキッシュなアップビートへと移行するアレンジはライブの佳境にぴったりで、その勢いを引き継いで「Rally Go Round」へと続くと、武道館の熱気は最高潮へと到達。さらに、LiSAが「Catch the Moment」のサビフレーズをアカペラで歌い始めると、その感動的な流れに筆者の涙腺が緩む。ふとステージに目を向けると、LiSA本人も歌いながら感極まっている様子で、曲中何度も涙を拭きながら「Catch the Moment」に込められたメッセージを届け続けた。








Photo by Viola Kam (V’z Twinkle)

「Catch the Moment」を歌い終え、深々とお辞儀するLiSAに対し、客席からは盛大な拍手が鳴り続ける。この光景を前に、LiSAは「今日まで、忘れたい瞬間がたくさんあって。でもそれ以上に、忘れたくない瞬間がたくさんあって。そのどの瞬間も見逃さずに、全部音楽に言葉に、そしてこのライブで表現してきました」と挨拶。この言葉に、会場はさらに大きな拍手で包み込まれていく。そんな鳴り止まない拍手を前に、「今日まで歩いてこれたのは、この最高な瞬間を作ってくれるみんながいたからです。今日は大切な日にしてくれて、本当にありがとうございました。今日までの11年を誇りに、私LiSAはまだまだ往きます。そんな手紙を書きました。また遊ぼうね。またね、武道館」とメッセージを送り、今回のツアーのために用意された新曲「NEW ME」を歌い始める。これまでの自分を振り返りつつ、今を見つめ、そして次へと進むための言葉が紡がれたこの“手紙”を、一言一句丁寧に届けていくLiSA。緩やかな序盤パートを歌い終えると、「私は私の道を、そしてあなたはあなたの道を“往け”。そしてその先で、未来で、また季節が変わる頃に会おうね。一生懸命生きていくみんなの歌です」と改めて言葉を添え、アップテンポのバンドサウンドに乗せて力一杯の歌声を響かせた。こうして、あえてアンコールを排除することでライブ1本に込めた熱量の凝縮具合が異常なほどに濃くなった、LiSAデビュー11周年を祝福するライブは終幕。最後にLiSAは「みんなの顔を見て安心しました。今度は一緒に歌おうね!」と語りかけて、ステージをあとにした。


Photo by Viola Kam (V’z Twinkle)

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