佐藤良明訳による「風に吹かれて」(風に舞っている)
ひとはいくつ道を歩けば
ひと並み扱いされるのか
ハトはどれだけ海を渡れば
砂の浜で安らげるのか
どれだけ大たま砲が宙(そら)を飛べば
撃ってはならんと決まるのか
答えは、友よ、風のなか
風に舞っている
山はいくとせ在りつづけるのか
海へ崩れていくまでに
かれらはいくとせ耐えつづけるのか
自由を勝ちえていくまでに
ひとはいくたび顔をそむける
見ないふりをやめるまでに
答えは、友よ、風のなか
風に舞っている
なんど空を見上げたら
すんだ青さが見えるんだ
いったいいくつ耳を持ったら
涙の叫びが聞こえるんだ
そうさ、どれだけひとが死ねばいいんだ
もう死にすぎだとわかるまで
答えは、友よ、風のなか
風に舞っている