市原隼人が語る、『おいしい給食』を通して伝えたい「人生を謳歌する」ために必要なこと

──先ほど市原さんは、甘利田は人生を謳歌しているとおっしゃいました。人生を謳歌するために必要なことって何だと思いますか?

市原:本気で泣いて、本気で悔しがり、本気で笑うことです。自分の感情を表に出すって、なかなか難しいことだと思うんです。場合によっては引かれてしまうこともあるかもしれないし、時にはそれが元で対立することもある。でも、そうやって本気の感情をぶつけ合い、それぞれの価値観を分かち合うからこそコミュニケーションは深まるし、クリエイティブなものも生み出せると思っています。映画の現場でもそう。自分で演じている中で、どうしても理解できないこと、納得できないことがあったら、監督や共演者と積極的に話し合ってみる。私生活でもそういう姿勢を忘れないようにすることが、より充実した時間を過ごす秘訣なのかもしれないと思っています。

──「人間は想像力で出来ている。食は空間を変える」「食を分け合うというのは、もはや配偶者」など、とても印象に残るセリフがたくさん登場する映画ですが、市原さんが印象に残っているセリフは何でしょうか?

市原:「食を分け合うというのは、もはや配偶者」はもう、名言中の名言ですよね(笑)。僕は、ものすごくシンプルですが「私はおいしい給食が好きだ」というセリフが好きです。当初は台本には書かれておらず後から監督が入れた言葉なのですが、そこにはもちろん言葉通りの意味もありますし、「おいしい給食」という制作チームに向けたメッセージでもあって。撮影の時は、そういういろんな思いを込めてあのセリフを言いました。



──僕もあのセリフは響きました。給食って、単に栄養バランスが取れていればいいわけではなくて。美味しく食べることも、人間の健康にとってものすごく大事であることを、とても簡潔に言い当てているように思います。ところで市原さんは、普段どのように音楽を楽しんでいますか?

市原:音楽は大好きです。中学の時にパンクロックにハマり、そこからヒップホップが好きになってターンテーブルを手に入れて。地元の仲間たちとバンドを組んだり、ヒップホップクルーを結成していた時期もありました。駅前で踊っているダンサーに「入れてください!」と声をかけ、彼らに混じって一緒に踊ったこともあったな。『ワイルド・スタイル』という映画に感化され、ラッパーやDJ、ダンサーだけでなくデザイナーやライター、グラフィティペインターにも興味が湧いて。ヒップホップカルチャー全体にも興味を持つようになっていきました。

──アーティストでいうと、どのあたりを聴いていましたか?

市原:ナズが大好きで、他にもスヌープ・ドッグやエミネム、50セントあたり。朝、目が覚めたらとりあえず爆音でヒップホップを聴いていましたね(笑)。なので今年のスーパーボウル ハーフタイムショーは震えました。まさか、今この時代にあんなメンバーで揃えてくるとは思わなかったので。基本は今でもヒップホップ。家でも車の中でも、どこでも聴いています。


(C)2022「おいしい給食」製作委員会

──では最後に、本作『劇場版 おいしい給食 卒業』の見どころをお聞かせください。

市原:暴力的なシーンは極力抑え、小さなお子さんからご年配の方まで楽しんでもらえる作品に仕上がりました。「大衆向けエンターテイメント」としてポップかつユーモラスな部分もあれば、知識や教養を培えるような情報も満載です。ぜひとも劇場まで足をお運びください!

衣装協力:73r


劇場版 おいしい給食 卒業
2022年5月13日(金)より新宿シネマカリテほか全国公開
配給:AMGエンタテインメント
Ⓒ 2022「おいしい給食」製作委員会

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE