Charと春畑道哉が語る、理性と感性で考えるギタリストの流儀

左からChar、春畑道哉(Photo by Mitsuru Nishimura)

デビュー45周年を迎えたCharが、2021年12月に武道館で開催した記念ライブを収録したDVD/Blue-ray『Char 45th Anniversary Concert Special at Budokan Tokyo』をリリースした。同ライブにゲスト出演したギタリスト・春畑道哉も、4月27日にニューアルバム『SPRING HAS COME』を発表。同作に楽曲提供&演奏で参加したChar。ここ数年、急接近を果たしている二人のスーパーギタリストが、ギター、音楽の本質についてユーモア全開で語り合った。

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春畑:最近、Charさんと演奏でご一緒する機会があるんですが、Charさんがチューナーを使ってるのを見たことなくて。

―それは昔からなんですか?

Char:そもそも昔はチューナーなんてなかったから(笑)。

春畑:でも、あれはすごいですよ。デビュー45周年の武道館のステージ(2021年12月11日開催)でもMCをしながらチューナー無しで合わせるじゃないですか?

―MC中だけではなく曲の最中にもチューナー無しでチューニングする光景が何度もあって。あれは感覚ですか?

Char:そう。けど昔の人はみんなそうでしょう?

春畑:あれはやっぱりびっくりしますよね。

―曲の締めの一音前にチューニングして、最後でジャーン!で狂わないんだと驚きました。

春畑:あれでダーンって濁ってたらめっちゃ面白いのにと思って。

Char:ダメじゃん(笑)。

―(笑)45周年の武道館ライヴで、Charさんがゲストの春畑さんを呼び込む時に「最近よく遊んでいる」と言ってましたが、何して遊んでいるんですか?

Char:ゴルフだよ。しょっちゅうではないけど、たまにね。

―あらためて、二人の出会いは?

春畑:去年、フェンダー75周年記念で「We Love Music」という曲をCharさんが作って、そのプロジェクトにギタリストが何名か呼ばれたんですが、僕もその中に入っていて、もう嬉しくて嬉しくて!

Char:ちゃんと出会ったのはそこだよね。TUBEはもう何年経つっけ?

春畑:TUBEは今年で37年です。TUBEではないんですけれども、実は何度かちょっとご挨拶だけさせていただいたことはあるんです。前にクラプトンのギターを……。

Char:あぁ、ウドーさんが買って、チャリティに……。

春畑:そのチャリティーのイベントで、同じステージに立たせてもらって。

Char:そうだったんだ!

春畑:その時、一秒ぐらい褒めてくれたんですよね。「お前のギター、俺の友達が良いって言ってたよ」って(笑)。

Char:恥ずかしいからそう言ったんだよ。

―もちろん春畑さんはCharさんのことは……。

春畑:もちろん大好きで小学生の時から知ってます。

―具体的に影響された曲やフレーズはありますか?

春畑:「闘牛士」をテレビで観た時の衝撃は今でも忘れられません。僕、まだギターを弾き始める前だったんです。当時テレビの中でギターを弾いて歌って、それがスタイルになっている人って他にいなかったんですよね。

―そして今回は春畑さんのニューアルバム『SPRING HAS COME』の「I feel free (feat. Char)」でCharさんが楽曲提供と演奏参加ということなんですが、これはどういう経緯で進んでいったんですか?

春畑:フェンダーの「We Love Music」で出会った時、ちょうど僕はこのアルバム作っている途中だったんです。

Char:実際アルバムはいつから作ってたの? 去年の秋頃からプリプロは始まってたじゃん?

春畑:はい。で、実はもっと前から作り始めていて、3年ぐらいかけて作ってたんです。全体のバランスを見て、あと一曲何か核になる曲を考えている時に、だんだんCharさんとお近づきになることが出来て(笑)。これはど厚かましいついでに頼んでしまえということを思いついて(笑)。でも断られるだろうなと思ってたんです。

Char:なんでだよ(笑)。

春畑:だってCharさんが人に曲を書くとか想像つかないですから。そしたら、できるかどうかは分からないけど、君の気持ちは伝わりましたみたいな返事をいただいて。でもこれはどっちなのかな?って(笑)。作ってくれるのか、作ってくれないのかまだ分かんないみたいな感じで、そのまま1カ月以上待ってたら、ほぼそのまんま出したいみたいなクオリティのデモをいただきまして。

Char:だって俺は職業作家じゃないからさ。ましてやギタリストのアルバム。そんな軽く請け負えない。春畑くんともそんな長いわけじゃないけど、短い付き合いの中で、こういうのがカッコいいかな、ああいうのがカッコいいかなというのを一応は考えて。でも結局自分でもやりたいような曲を書こうと思って。このコロナ禍でやることなくてスタジオに入ってることが多かったのもタイミング的にはよくて。で、次に会った時に、いつまでですか?って聞いたら、できれば今月中にみたいなことを平気で言うから。「え? 今月中?」って(笑)。

春畑:すみません!(笑)。

Char:どうしてもね、自分のスケジュールもあるし。でもそれを捨てて!(笑)。

春畑:えっ!?

Char:でもその頃、まだ3〜4回しか会ってないけど、すごく書きたいなって思ったよ。ただ、インストなのかボーカル曲なのかどっちか聞くのも忘れてて。で、インストで、ちょっとコーラスが入るみたいな曲にした(笑)。サビの歌詞で曲のタイトルでもある“I feel free”という言葉は、フレーズをそのまま言葉にした感じ。最初は「テイク1」「テイク2」って仮タイトルでやってたんだけど、自分で聴いてて、ここのメロを歌にしたらいいかなとか思ってね。



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