柴那典が語る、平成30年間のヒット曲の背景を書いた評論集



田家:1989年1月11日平成元年の発売の曲です。

柴:これは今聴いても昭和の曲という印象で、平成と言うとちょっと違和感があるかもしれないですが。

田家:昭和の曲ですよね。

柴:美空ひばりさんご自身がこの曲を最後に、この年に亡くなられている。そのことを踏まえても本当に時代の切り替わりの象徴だったんだなと思います。

田家:平成が始まったとき、1976年生まれの柴さんは何をされていたんですか?

柴:まだ小学生の子どもでした。ニュースで年号が変わった。それは知っているんですけども、世の中がどう動いているかは全然分かってなかったですね。

田家:1989年になると天安門事件があったり、冷戦の終結があったり、世の中が昭和と違うところにいくわけですけれども。そのときは昭和と平成にどんな違いがあるだろう? と思われていました?

柴:いやー、これは全く思ってなかったですね。今思うと、戦後の昭和の時代ってより上に登っていく、みなさんがより豊かになっていく時代でもあったので。それが平成になったことで1回ちょっと変わった、その象徴かもという気もしますね。

田家:その頃は40代になって、こういう本を書くようになるとは思ってなかったわけでしょ(笑)。

柴:思ってなかったですね(笑)。

田家:今日の2曲目1990年平成2年の曲、B.B.クィーンズの「おどるポンポコリン」。この項目にはこんな見出しがついていました。「さくらももこが受け継いだバトン」。それはどんなバトンだったんでしょう。

Rolling Stone Japan 編集部

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