未解決事件の謎を解くダイバー集団、YouTubeで人気 米

テネシー州でジェレミー・サイズさんとアダム・ブラウンさんが湖の底で発見した黄色の小型車(Photo by Andrea Marks)

YouTuberのジェレミー・サイズさんとアダム・ブラウンさんのトレードマークはダイビング用のスーツ。彼らは、行方不明者のものと思われる水中に沈んだ車(ときには行方不明者も)の捜索を専門とする、最近人気のYouTubeコミュニティのメンバーである。ハイテク機器を駆使して謎の解明に全力を注ぐ彼らの活動は、多くの人の関心を集めている。Carley ProjectやNamUsといったデータベースには数千人の行方不明者が登録されているだけでなく、こうした捜索を見たがるオーディエンスがいるのだ。

【動画を見る】21年前に失踪の車、川の中で発見する瞬間

2021年末、サイズさんは米テネシー州ホワイト郡スパータ付近の水域を捜索中、一台の車を発見。21年前に失踪したエリン・フォスターさん(当時18)とジェレミー・ベクテルさん(同17)の車だった。車は同州を流れる川に沈んでいた。

42歳のサイズさんは金属探知機を携えてYouTubeを始めた。ジョージア州アクワースの自宅付近で公園や南北戦争時代の建物を散策しながら、古い硬貨や道具やガラス瓶などのお宝を探していた。ダイビングのライセンスを取得してからは水中へ活動の場を移し、19世紀の入れ歯から年代ものの爆弾、骨壺まで、あらゆるものを回収するようになった。「骨壺は大変です」と彼は言う。「一度、底に穴の開いた骨壺がありました。何なのかよくわからないまま持ち上げたら、遺灰を全部まき散らしてしまって、『こりゃ大変だ』という感じでした」

サイズさんはさらに続け、2021年1月に初めて行方不明者の捜索を行った時のことを語った。オレゴン州ベンドを拠点とするYouTubeチャンネルAdventures With Purpose(以下AWP)のダイバー仲間が一緒だった。そのころすでに、AWPはかなり実績を挙げていた。2020年5月、当時は環境清掃のチャンネルという触れ込みだったが、メンバーが思いがけずティモシー・ロビンソンさんの遺体を発見したのだ。ライブストリーム中にウィラメット川からマツダが引き揚げられるまで、56歳のロビンソンさんは2008年からずっと消息不明だった。「車を引き揚げるまで、中に遺体があることは知りませんでした」と言うのは、AWPのチーフドライバーのダグ・ビショップさんだ。彼らはストリーミングを中断し、編集した動画を後日アップロードした。「ご遺族は彼がヨーロッパに出かけたものだと思っていました。ご兄弟も彼の消息が分からずにいました。その間ずっと彼はポートランド郊外の水中にいたんです」

Translated by Akiko Kato

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