NFTに音楽を入れる新たな試み Doodlesから進化したSpace Doodles

Space Doodles

人気NFTプロジェクト、Doodlesの進化形と言えるのがSpace Doodles。これはすべてのDoodlesのNFTホルダーに、200を超えるオーディオ/ビジュアル特性を持った個人用の宇宙船を提供するというもの。

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Space Doodlesが画期的なのは、アニメーション動画と音楽の組み合わせになっているところだ。Doodlesは2DのデジタルアートのNFTだったが、Space DoodlesはDoodlesのキャラが宇宙船に乗って宇宙旅行をする5秒間のアニメーションとなっていて、そこに5秒間の音楽が入っているのだ。このSpace Doodlesの音楽を手がけているのはジョン・バウアーズというコンポーザー。ジョンはアート・ポップ・バンドのNursesのオリジナル・メンバーで、ソロ名義では2021年にシンセサイザーとフィールド・レコーディングで制作したアルバム『Kindness』を発表しており、2022年3月のSXSW Film Festivalで話題を呼んだ映画『Jethica』の音楽も手がけている。

―短い時間の音楽の断片を制作するようになったきっかけは?

ジョン 15年以上前のことなんだけど、ブライアン・イーノのインタビューを読んでいたら、Microsoft Windows 95の起動音を制作したことについての話で、彼がどのように短い音楽の断片に興味を持ったのかということを話していたんだよ。僕自身、音楽の断片に興味を持っていたし、細かなドラムのキックの音もピアノの音程もちゃんと鳴ってほしいと思う方だから、そこでピンと来てね。ものスゴく短い曲を遊びで作るようになって、そこからコンセプトありきのプロジェクトやコマーシャルなプロジェクトの音楽を手がけるようになったんだ。企業のロゴのサウンドを3秒間とか7秒間で作ったり、都市計画の音楽を手がけたりしていたんだよ。最初にNFTのことを知った時、僕自身もトライしてみたいと思ったし、自分の作る短い音楽の断片をNFTに入れてみたいと思ったんだ。

―NFTの世界に入ったきっかけは?

ジョン 2年ぐらいNFTを見ていたんだけど、去年の初めにNFTが一種のカルチャー現象となった時に、個人的にNFTを集め始めたんだ。どのNFTを見ても思ったのは、どこに音楽はあるんだ?っていうことだったね。NFTにはスゴい可能性があるし、短い時間の中で音楽でどれだけの表現ができるのか、僕にはわかっていたから、これは自分でやってみなきゃと思ったんだよ。

―NFTのどういうところに興味を持ちましたか?

ジョン アートを伝える新しいミディアムという部分に興味を持ったね。NFTはアーティストが自己表現をする新しい場所になるからだ。同時に、マーケットという意味では、アーティストが自分の作品から利益を得られる新しい場所にもなり得る。僕は常々、音楽はラジオでかかるようなものじゃなく、ギャラリーの中で展示できるようなものにしたいと考えていたんだ。もちろんポップ・ミュージックは大好きだけれどね。ただ、僕のやっている音楽はアルバムというフォーマットには合わないし、一つの独立したピースとして存在している。NFTはアーティスティックなアイデアをインターネット上でパッケージとして見せられる新しいやり方だと思うんだ。今の時代、いろいろなやり方がある中で、NFTには若い世代のクリエイティブのエネルギーが満ち溢れている。僕が10代の時は、若い世代のクリエイティブのエネルギーは特にパンク・ロックという音楽に集中していた。音楽そのものが好きじゃなくても、その音楽の持つエネルギーは認めざるを得なかったと思うんだ。僕が気に入っているのは、今のNFTを取り巻くエネルギーだね。スゴくレベルが高いし、ものスゴい量のクリエイティブ・アイデアが出てきていて、たとえ気に入らないものがあったとしても、大した問題ではないんだ。NFTのクリエイティブなエネルギーにはパンク・スピリットが存在するし、ビジネスマンのスピリットだって存在しているところもいいね。そのどれもが同時に起こっているから、エネルギーが爆発しているような感覚があるんだ。

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