NY銃乱射事件、62歳の容疑者が「無罪」を主張

2022年4月12日、米ニューヨーク市営地下鉄の駅で発砲した疑いがもたれているフランク・ジェームズ容疑者。翌日ニューヨーク市当局はテロ関連容疑で容疑者を拘束・起訴したと発表した。(Photo by Tayfun Coskun/Anadolu Agency/Getty Images)

現地時間13日、米ニューヨーク・ブルックリンの連邦裁判所で行われた罪状認否で、地下鉄銃乱射事件のフランク・ジェームズ被告はテロ容疑および暴力犯罪での武器使用容疑で無罪を主張した。

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ジェームズ被告は4月12日朝、ニューヨークの地下鉄N線の車内で発煙筒のようなもので煙を発生させ、銃撃を開始。発砲は30回以上あり、撃たれた10人のほか煙を吸うなどして負傷者も多数出た。現場付近を歩いていたという目撃情報を受け、警察は翌日マンハッタンのイーストヴィレッジで彼を逮捕。以来、同被告は保釈無しで拘束されていた。

ジェームズ被告の入廷前、2人の連邦保安官は被告代理人を務めるミア・アイズナー・グリンバーグ連邦公選弁護士が座るテーブルの下を調べた。法廷内が静まり返り、被告人が入廷した。執行官2人よりも頭ひとつとびぬけていた被告は、オリーブグリーンの半袖ボタンダウンシャツに、同色のパンツという囚人服を着ていた。青い外科用マスクが白髪交じりの無精ひげの一部を覆っていたが、鼻は覆われていなかった。

ウィリアム・F・クーンツ2世判事が今日の気分を訪ねると、ジェームズ被告は「まずまずです」と答えた。それからクーンツ判事の一連の質問に答え、生まれはブロンクスで、高卒同等の学力証明書と「各種専門学校の卒業証明書」を取得していると語った。

クーンツ判事は30分間の罪状認否の中で、5月6日に大陪審から提出された6ページにわたる起訴状全文を読み上げた。起訴内容は、被告が「都市交通局の地下鉄車両に乗っていた乗客に火器を発砲した」とする公共交通機関でのテロ行為と、暴力犯罪での火気使用だった。有罪判決が出た場合、連邦当局は被告の財産没収を求める意向を示している。これら財産には、地下鉄車両で発砲されたとされる拳銃グロック17も含まれる。

クーンツ判事から認否の準備はできているかと尋ねられた被告弁護人のアインズナー・グリンバーグ公選弁護士は、「はい、被告人はいずれの起訴内容でも無罪を主張します」と述べた。判事はその後ジェームズ被告に公訴事実1・2の認否を尋ねた――被告はいずれも「無罪です」と答えた。審問が終わると、被告は手を後ろに組んで、入廷したのと同じドアから退廷した。

判事は、公判開始までジェームズ被告を勾留するという警察判事の勾留命令を支持した。被告側は保釈申請を行わなかった。

Translated by Akiko Kato

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