MINMIが語るデビュー20周年の歩み、5年ぶり開催のフェス「FREEDOM」への想い

ーこの20年間を振り返って、”MINMI最大の転機!”みたいな瞬間はありましたか?

MINNMI:まさに、今話した『NATURAL』を作った時かなと思います。その時は、そうは思っていなかったですけど、結局、その言葉が自分を支えるようになったなと感じています。例えば、母親になったときも、”お母さん”っていうことを歌詞にしたり歌にしたり、妊婦のジャケットを作ったりっていうことに対して、周りからは「それはちょっと」って意見があったんですよね。「ディーヴァはずっと独身」みたいな、そういうイメージで売った方がいいとも言われて。でも私は、自分らしさを音楽や言葉にすることが、自分ができる最大限のことだという風に考えていたので、やり通しました。そうしたら、やっぱりたくさんの女性の方から「影響を受けた」と言ってもらえるほどの曲ができた。今でこそ”マタニティ”ってファッションも楽しめるし、お母さんであるっていうことが所帯じみたことじゃなく、一つの女性の人生において、誇れたり楽しめたりする部分になっていると思います。私も、自分の作品を通してそういう取っ掛かりを表現できたかなって思います。”NATUTAL”っていう言葉や生き方があったから、今の自分があるし、そこから年数を経て、自分が感じたことを表現していいって自分も認められるようになったり、そういう活動ができるようになったりしましたね。だから、アーティスト、MINMIのスタイルにおいて、大きな変革期となったタイミングだなって思います。

ープライベートなトピックに触れてしまうのですが、MINMIさんは長くアーティスト活動を続けつつ、3人のお子様を持つ母親でもある。お子さんを出産するタイミングやご自分のキャリアは、どのように折り合いを付けていったのでしょうか。

MINMI:ママ的な視点の質問ですね。1人目のときだけは、やはりみんなに迷惑かけちゃいけないっていう気持ちがあったので、休める時期やツアーがない年とか、そういうときに妊活したいと思っていたんです。占い師の人に「あなた、この年に子供を授からなかったら、仕事にハマって一生お子さんは授からないと思う」って言われたことがあって。それまで、音楽をリリースしてツアーを回って、次のアルバムを作って…… という絶え間ないサイクルで仕事をしてきたので、これがずっと続くと「そりゃそうだ」と思って。リリース後、1年間ツアーがないって時に、「本当に今、この時だ」と思って、結果、その時に1人目を授かることができたんです。そこから先は、できれば子供に兄弟がいる環境を与えてあげたかったし、私も働いているからできるだけ家も賑やかな方がいいと思って。そこまでプランしていたことではなかったのですが、だから、授かったら産んで育てたいなと思っていました。

ー3人を育てながらアーティスト活動も続けて行って…… と、とにかく大変なことも多かったのではと感じます。

MINMI:保育園やマネージャー、母親にも力を借りていましたけど、仕事しながら育児をするってめちゃくちゃ大変でした。今でも、上手に両立できたなんて思ってないですし、気づいたら手料理もずっと食べさせられてなくて、結局「これ、チンしといて」みたいな。母親と仕事という意味で言うと、もっと時間があったらなと思います。

ーそんな大変な中でも、20年間、絶えずアルバムをリリースしてパワフルさを発揮していらっしゃる。その秘訣は何ですか?

MINMI:本当に、「やりたい」という気持ちでしょうね。やっぱり、作りたいことが溢れてくるので。子供にもいっぱい時間や愛情をかけたいという気持ちがありつつ、自分が出来ることを出し尽くしたいという気持ちもすごくあって。子供に対して寂しい思いをさせていると思うけど、お母さんが自分の人生を100%謳歌するのを見て、「あなたたちも自分の生きたい道を100%生きてね」っていうことが最終的に伝えられたらな、と。

ー今はLAにも拠点を持ちながらの活動を続けていらっしゃいますが、アメリカに移住されてから、クリエイティブなマインドは刺激されましたか?

MINMI:されていますね。一言でいうのはすごく難しいですけど、普通にラジオから聴こえてくる音楽が違う。今だとトラップやラテンの音楽が多いですね。

ーアメリカだとラジオのチャンネル数も多いですし、ひたすら音楽が流れていますもんね。

MINMI:今だと、やっぱりラップが身近なものになりますよね。最近は長男と一緒に車に乗っている時、お互いのプレイリストを掛け合っています。彼の方がアメリカのヒップホップを聴いて育っているから、私よりも詳しいし、「これはポップスすぎるね」とか素直に教えてくれるからすごく楽しいです。

Rolling Stone Japan 編集部

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