THE 2の古舘佑太郎と加藤綾太が語る、「過去を未来で肯定する」ために

サカナクション・山口一郎氏のプロデュースについて

—今回プロデュースに山口一郎さんが入っていますが、具体的にどの辺りに関わったんでしょうか?

古舘:タイミングとしては、最後のレコーディングに来てくれて、1日かけてプリプロ兼RECの音作りとか構成確認をやってくれました。それってやっぱかなりでかい作業で、音作り1つでこんなにも曲の雰囲気とかアレンジが変わるんだなって僕らも実感したぐらい。秘伝のスープ的なものを惜しみなく分けてくれて、だからサカナクションのライブとか楽曲ってあんなに惹かれるんだなって、僕らは厨房側から覗かせてもらった感じです。

加藤:やっぱりサウンドメイクが印象的でした。例えばギターの音色1つとっても、1回録って聞いてみて、もうちょっと高音あげようか、とかを何度も繰り返していて。それで最終的にでき上がったものをブースで聞いてみると、確かにめちゃくちゃ際立って聞こえるんですよね。僕の一郎さんと一緒にやってみての印象は、無駄をなくして、その分しっかりと届けるってこと。歌詞も「こっちの言葉にしたらいいんじゃない」とか、「この言葉が目立つように前後変えてみようか」って話もしたり。メロディーも1個ディレクションしてくれたのは、後半のサビ、「川は流れてる」のところ。当初だと割とのっぺりしたメロディだったんですけど、「ここメロ上がった方が多分グッとくるよ、1か所だけ変えてみようよ」みたいな提案もあって、確かにそっちの方がいいんですよね。僕が割とのっぺりしてるような、リフレインとか、アルバムで言ったら7曲目ぐらいの曲が好きなんで、その癖もあって。でも狙う曲はこういうところで変化を見せた方が聞き手はフックするんだなって、メロディを書く人間として勉強になりましたね。

—よりキャッチーになったんですね。

加藤:あと、今回シンセを使うのが初めてだったので。サカナクションって言ったら、シンセとか同期(生楽器以外の音)のイメージがあるじゃないですか。そこのレシピを見せてもらったのも、すごくいい経験だったなって思います。聴感上入ってるのか入ってないのか分かんないようなシンセの音でも、これが入ることによってレンジ感が広く聞こえたり、壮大になったり。レコーディングで録ったものを今ライブで同期として使ったりしてるんですけど、すごく反響がいいですね。ちゃんと混ざって、しっかり曲のカラーになってるなって思います。シンセサイザーとの出会いは、新しい挑戦と発見でしたね。


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