THE 2の古舘佑太郎と加藤綾太が語る、「過去を未来で肯定する」ために

MVに登場する“メガフルタチ”の意味

—MVもすごく面白いですよね。顔のマスコットを使う着想は、田中監督からですか?

古舘:そうですね。監督がいくつか企画を持ってきてくれて、メンバーの中でやりたいって言ったのがこれでした。この“メガフルタチ”って言われるキャラクターは一見“なんじゃこりゃ”って化け物ですけど、裏テーマとしては僕自身のコンプレックスとか今までの鬱屈とした思いを表していて、実はメッセージ性がすごく含まれてるので、本当に田中監督すごいなって思ってます。今回「恋のジャーナル」を作ったり、(一郎さんに)プロデュースをお願いしたり、こういうMVを撮ったりしているのも全部、人に聴いてもらいたいっていう純粋な気持ちしかないんですよね。なんでヒット曲を作りたいのかっていうと、印税で暮らしたいっていうよりも、単純にでかいところに行ったら今まで応援してきてくれたみんなもそこに連れていけるし、新たに出会った人たちもそこに集まって、みんなで1つの空間を作れる。それがしたい。そのためには今いてくれるお客さんの中だけで籠ってちゃ絶対にだめだし、綺麗事じゃなく恩返しもできないって思いが根底にあるので。このメガフルタチは、YouTube含めインパクトがあるので、今まで僕らを知らなかった人も「え、何?」って思ってくれるんじゃないかなって期待はあります。僕らも今回、はみ出したいって公言しているからには、新たな出会いを求めてやってるので。今までの人たちももちろん連れていくけど、全然知らなかった人、興味なかった人も巻き込みたい。その僕の目立ちたがりな気持ちとか虚栄心みたいものも、この化け物には含まれていて、「僕を見て」って思いが具現化されてるんです。



—歌詞に「虫が蠢いてる 僕みたく」ってフレーズがあって、このMVを見た時に、自分のコンプレックスが他の人には違う存在に見えてるって自意識が、カフカの『変身』みたいだなと思って。今お話を聞いてすごく納得しました。

古舘:ずっと昔、それこそくるりの岸田さんと、”andymoriの小山田壮平さんと僕”の話をしてて、小山田さんは羽が生えて空を飛んでる天使だけど、お前と俺は地を這う虫だって言われたことがあって、妙に納得したんです。四つん這いで地を這ってる、飛べない虫。でも空を飛びたい。大好きな岸田さんに言ってもらえたからこそ、今まで地を這えてきたし、飛びたいって思いはめっちゃありますね。このMVには、今までの全部が詰まってる感じがします。

—加藤さんはMVに関して何か意見は伝えたんですか?

加藤:僕は全然。監督がやりたいことをぜひやらしてください、みたいな感じでしたね。

古舘:メガフルタチの案でいこうって最初に言ったの、Pちゃんだよ。

加藤:えっ?

古舘:実はそうなんですよ。僕は自分がメインで動くって恥ずかしくて言い出せなくて(笑)。

加藤:確かにそうかも。

古舘:そう、違うやつ出してた。再始動だし、メンバー全員出るような感じがいいなと思ってたんで。そしたらPちゃんが、「巨大な古舘めちゃくちゃ面白い」って言い出してくれて、自分のことだったんであんまり考えてなかったんですけど、面白いかなってところから始まってるんですね。


加藤綾太(Gt)

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