米州知事、レイプ被害者にも「中絶禁止」は適用されると発言

 オクラホマ州も中絶禁止に

オクラホマ州のケヴィン・スティット州知事もレイプや近親相姦も例外としない中絶禁止法の支持を表明した。

「私の理解によれば、オクラホマ州の法律はレイプや近親相姦といった例外を認めていません。被害者は妊娠6週間でも妊娠に気づかない場合もある、という意見もあります」と、 『Fox Newsサンデー』の司会者シャノン・ブリーム氏はゲスト出演したスティット州知事に尋ねた。「そうした状況に置かれた女性、オクラホマ州で生活し、他に選択肢がないと感じている女性の方々には、なんとおっしゃるつもりですか?」

「そうですね、まずは心から同情申し上げます。私にも娘がいますが、どんなつらい状況か想像に堪えません」とスティット州知事は答えた。だが見かけの同情とは裏腹に、スティット州知事は被害者に出産を強要するつもりだ。

「選択しなければなりません」とスティット氏は続けた。「お腹にいるのは1人の人間です。我々はあらゆる手を尽くして生命を守り、母子ともに大切にしていきます。片方の生命を犠牲にして、もう片方の生命を守ることは、どちらにとっても正しくないと思います」

その後もブリーム氏はスティット州知事に質問を続け、オクラホマ州の児童福祉の実態が最悪であることをふまえ(全米第42位)、トラウマの中で妊娠して強制的に産み落とされた子供たちを知事としてどうサポートするつもりか、と尋ねた。するとスティット州知事は「社会主義の民主党左派」の批判に走り、「この類の統計まで持ち出すとは、なんともばかげている」と述べた。

「オクラホマ州は自由市場です」とスティット知事。「我々は神がどの生命、どの子どもにも特別な計画をお持ちでいらっしゃると信じています。我々が望むのは、オクラホマ州で誰もが等しく機会を与えられることです。その答えとして、胎児中絶は間違っています」

リケッツ州知事やスティット州知事以外に、ミシシッピーのテイト・リーヴス州知事も特例なしの中絶禁止法を熱心に擁護している。リーヴス州知事はミシシッピー州のトリガー法を擁護したが、この法律では近親相姦の被害者が妊娠した場合、加害者の子どもを出産することが強制される。

中絶禁止法でレイプや近親相姦が例外とされる場合でも、妊婦にとっては危険だ。法律で例外が認められている州でも、レイプ被害者は警察調書の提出が義務付けられるなど中絶の条件が定められているため、おうおうにして中絶手術を受けるのは極めて困難、あるいは不可能だ。

「こうした例外は本来の仕事を果たしていません」。Guttmacher Instituteの政策アナリスト、エリザベス・ナッシュ氏もジ・アトランティック紙に語った。

例外を設けない中絶禁止法は、アメリカ国内でも次第に支持されつつある。少なくとも10州で――アーカンソー州、ルイジアナ州、ミズーリ州、オクラホマ州など――レイプまたは近親相姦のいずれか、あるいはどちらも例外と認めない中絶禁止法が可決されている。こうした法律の大半は裁判所により差し止められているが、ロー対ウェイド判決が覆れば施行される可能性は非常に高い。

From Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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