アンバー・ハード、ジョニー・デップを数回殴ったと反対尋問で明かす

2022年5月17日、米バージニア州フェアファックス郡巡回裁判所で陪審員の到着を見守るアンバー・ハードとジョニー・デップ(Photo by Brendan Smialowski/Pool photo/AP)

ジョニー・デップが元妻で女優のアンバー・ハードを名誉毀損で訴え、賠償金5000万ドル(約64億6000万円)を求めている裁判で、現地時間17日にハードの反対尋問が行われ、デップの弁護士との一騎打ちが見られた。

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デップの弁護を務めるカミーユ・ヴァスケス弁護士は序盤から主導権を握り、結婚生活で身体的暴力をふるったのはハードのほうだとアピールしようと数々の音声を再生した。その中でハードはデップの年齢とキャリアを馬鹿にし、彼を「お払い箱」と呼んだ。別の音声では、私の息子ジャックから男らしさを教えてもらったらどう、あんたにはできないでしょうから、と言っていた。

また別の音声では「とんだ笑い者ね」と言い、笑いながら小ばかにしたように「私もあんたみたいになれたらさぞ良かったでしょうね」と付け加えた。

映画『アクアマン』に出演できたのはデップのおかげだとヴァスケス弁護士がほのめかすと、ハードは明らかに気を悪くして「いいえ、私自身がオーディションで役を手にしたのです」と述べた。

ヴァスケス弁護士は、口論の途中でデップに出ていくなとハードが「執拗に」要求する携帯メッセージと音声を法廷で提示した。これに対してハードは、夫――メッセージの中では「怪物」と呼んでいる――が出ていくのを止めようとしたのは、ドラッグをやりにいくのではないかと恐れたからだと答えた。

「ジョニーが次の段階に移る時はたいていこうでした――クスリをやると決まっていたのです。それで私たちの生活はさらに悪化しました」と彼女は言った。「彼がクスリに走るのを止めようとしました……悪循環を止めるためなら何でもしました。私にとってはそのぐらい重要だったんです」

だがヴァスケス弁護士は反撃し、ハードがデップを「怪物」と呼んだのは麻薬の使用が理由ではなく、彼が距離を置きたがったからだと述べた。「距離を置きたい……イライラしてきた……俺も君もそれぞれ距離を置こう」と、音声の中でデップは言っている。「数時間もすればお互い話ができるだろう」

音声の中でハードは涙ながらにこう答えている。「今出て行ったら、私にものすごいストレスを負わせることになる……お願いだからやめてちょうだい」

ハードはデップを数回殴ったことも認めたが、いずれの暴力行為も正当防衛だったと主張した。「身体を張って自分の身を守らなくてはならないことが何度もありました。手あたり次第平手打ちをしたのもそのひとつです」と彼女は言った。「それで逃げられるなら当然です、顔を腫れあがらせるか鼻を折るかの差だとしても……可能な時は自分の身を守ろうとしました。ただ、それ以前は何年も自分を守れませんでした」

例えば、法廷で再生された音声には浴室のドアがデップの頭に当たったとして2人が口論しているが、ハードはその中でデップに「わざと」当てたと語っている。これについてハードは、デップからドアを爪先にぶつけられて痛かったので、直感的に反応したのだと述べた。

その後ヴァスケス弁護士は、ハードの元交際相手タシア・ヴァン・リーと過去の家庭内暴力容疑を話題にした(ハードは2009年、ヴァン・リーを殴ったとしてシアトル空港で逮捕されている。ただし起訴はのちに取り下げられた)。

「私はデップ氏にも、むかし交際した誰に対しても、暴行したことは一度もありません」と彼女は答えた。

Translated by Akiko Kato

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