アンバー・ハード、ジョニー・デップを数回殴ったと反対尋問で明かす

ハードがデップに書いた「手紙」の内容

この日の証言の大半は、ハードとデップ側の弁護士の激しいバトルがメインだった。女優が質問にことごとく反論しようとするのを、弁護士はしばしば遮った。2人とも午後中ずっと平静を保っていたが、引き下がるつもりがないのは明らかだった。

途中でヴァスケス弁護士は、交際が始まったばかりの2012年にハードがデップに贈ったナイフを法廷に提示した。ハードは以前、この時期から暴行が始まっていたと主張していた。ヴァスケス弁護士は、暴行されていたとみられる時期にデップに武器をプレゼントした理由を尋ねた。

「あげた時、彼がそれで刺してくるという心配はありませんでした」とハードは答えた。「それは確かです」

だがヴァスケス弁護士による反対尋問の序盤は、オーストラリアで数日にわたって行われたとされる暴行に集中した。ハードのこれまでの主張では、喧嘩が最高潮に達した時デップはキッチンカウンターに彼女を押し付け、酒瓶をヴァギナに挿入した。ハードの証言の信ぴょう性と喧嘩の記憶力を切り崩そうとしたヴァスケス弁護士は、彼女がデップの指先を切り落とした後も暴行が続いた、という女優の主張に異を唱えた。

ハードはすべて実際の出来事だったと一貫して主張したが、喧嘩の具体的な時間軸は覚えていないことを認めた。

「これらが起きた順番を正確に覚えていると主張したことは一度もありません」と女優。「恐怖の3日間にわたって、連日行われた暴行でした」

ヴァスケス弁護士は、この時の喧嘩で負ったとハードが主張する「重傷」にも反論した。割れたガラスで前腕と脚に負った切り傷と、あご全体にわたるあざだ。

「あの当時、あごに傷を負ったりあざができたりするのはそこまで深刻ではありませんでした」とハードは言い、傷の写真を撮らなかったこと、治療を受けようともしなかったことを認めた。代わりに彼女は、けがやもっと重要な証拠には目もくれず、現場の特定のアイテム(叩き壊されたと彼女が主張する携帯電話や、血まみれだったという枕など)を撮影した――デップ側の弁護士はこれを「都合のいい」行為と呼び、他の暴行容疑が話題の時にも指摘し続けた。

元夫婦の会話を収めた音声が再生されると、オーストラリアの喧嘩で俺が浴室に籠った後も君は付きまとい続けたじゃないか、というデップの声が流れた。その後弁護士はこう尋ねた。「彼をまったく恐れていなかったようですね?」

「ジョニーとは複雑な関係なんです。恐れていると同時に、心から愛してもいます」とハードは言った。「私を殺そうとした男です。恐ろしいのは当然でしょう」

するとヴァスケス弁護士は、交際中に2人がやり取りした交換日記の中に書かれたハードからデップ宛ての一連の手紙に焦点を移した。これはオーストラリアの喧嘩から2カ月後、妹がデップに階段から突き落とされそうになったとハードが主張する時期の直後に書かれた「ラブレター」で、ハードはこう書いている。「これまで私はあなたの中に友情と敬意が染みついているのを見てきた。だけどやっぱり、多分これまで以上に、あなたの身体を切り裂いてむさぼりつき、じっくり味わいたい気分だわ」

この手紙を書いたのは、デップが素面になった後の「新婚モード」の時期だったとハードは証言した。また自らの言動を謝罪する別の手紙に関しても弁明した。手紙のひとつには「私はおかしくなることがある。ごめんなさい。あなたを傷つけた……私のほうこそ本当にごめんなさい。こんなことを言ってもあなたを傷つけた言い訳にはならない。だって、あなたを傷つけるのに十分な理由なんてひとつもないというのが真実だもの」

「私はいつも(状況を)改善しようとしていました。どんな人間関係でも、喧嘩を水に流すには謝罪が重要だと思っています」とハードは手紙について説明した。「あらゆる手を試みました……でも関係を変えることはできませんでした」

Translated by Akiko Kato

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