ジョニデ裁判で新たな証言 デップの浪費癖や偏執ぶり、気まぐれな言動が明らかに

2022年5月19日、米バージニア州フェアファックス郡巡回裁判所で弁護団の1人と話をするアンバー・ハード(Photo by Shawn Thew/Pool Photo/AP)

ジョニー・デップが元妻で女優のアンバー・ハードを名誉毀損で訴え、賠償金5000万ドル(約64億6000万円)を求めている裁判で、現地時間19日にデップの元スタッフと元友人が証言した。

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被告のハードが召喚した証人たちによれば、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のスターだったデップはハリウッドのトップクラス俳優から転落し、6億ドル以上の収入がありながら職探しや生活に困っていたそうだ。「彼は世界一のビッグスターでした」と、かつてデップの元エージェントのトレイシー・ジェイコブス氏は証言録取の中で語った。

2016年10月に解雇されるころには、デップにはもはやかつての輝きはなかった。「すでに彼の名声には陰りが見えていたからです」と彼女は言い、撮影セットでの言動が着実に悪くなっていったのが原因だったとした。

「初めのうちは撮影クルーも彼のことが大好きでした。彼はいつもクルーに優しかったからです」。公判開始から19日目、デップとハードはもちろんのこと、北バージニアの法廷に集まった傍聴人の前で、ジェイコブス氏の証言録取が再生された。「ですが、主演俳優が姿を見せるまで何時間も何時間も待たされるのはクルーも好みません。噂は広まりました。しまいには誰も彼を起用したがらなくなりました」

58歳のデップは、ハードが2018年に掲載したワシントンポスト紙の記事で、名指しこそしなかったものの名誉を傷つけたと主張。家庭内暴力と#MeToo運動をテーマにしたこの記事が掲載されたのは、ニューヨーク州検事局が映画界の重鎮ハーヴェイ・ワインスタインを強姦罪で起訴して間もないころだった。36歳のハードも、デップが1回目の名誉毀損裁判の弁護人アダム・ウォルドマン氏と組んだ中傷報道により『アクアマン』出演以降キャリアをつぶされたとして、1億ドルの損害賠償でデップを反訴している。大ヒット間違いなしのスーパーヒーロー超大作『アクアマン』は、『パイレーツ〜』のようなシリーズ作品になる可能性も秘めていた。

ハードの弁護団は、デップが寄稿記事の掲載のはるか以前から身から出た錆で失墜していた、という主張を展開し、デップの元スタッフを証人に呼んで強調した。証人にはデップから解雇されたタレントエージェント、元弁護士、デップから契約を打ち切られ、のちに訴えられたビジネスマネージャー、彼が一時期診察を受けていた精神科医、長年の友人でデップから愛想をつかされた元バンド仲間、そして90年代に彼と交際し、のちに別れた有名女優のエレン・バーキンがいた。

Translated by Akiko Kato

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