練乳や人参ジュースも 自家製「粉ミルク」の危険性 米

数十年前に流行っていたからといって、安全だったとは限らない(Photo by Jerry Cooke/Getty Images)



単にレシピを投稿しているだけ

植物由来のレシピを紹介するブログPure Kitchenを運営するジュリ・ノヴォトニーさんは、自家製の粉ミルク情報を困っている親にシェアすることを問題だと思っていない。先週も6700人のInstagramのフォロワーに向けて粉ミルクのレシピを投稿したところ、250件のいいねを獲得した。山羊ミルクと人参ジュース、アマニ油と栄養酵母を使ったレシピだ。本人いわく、赤ん坊のときにこれを飲んで育った我が子はすくすくと成長し、今では14歳になったという。世間が粉ミルク不足に見舞われているのを見て、自分がお世話になった代替レシピを共有するのが務めだと感じたそうだ。「医師のまねごとをしているわけじゃありません」と本人。「みんながみんなこうするべきだと言っているわけでもない。宣伝するつもりもありません。粉ミルクをやめろと言いふらしているわけでもない。他人のことに口出しはしません。ただ、粉ミルクが手に入らない場合、別のものを赤ちゃんに与えられて、しかもそれが他の人には有効だったなら――大騒ぎする理由は見当たらないと思います」

ソーシャルメディアで「Formula Fairy」と名乗る公認乳児指導者のアリー・セッケル氏は、粉ミルクを手作りすることはひとえに危険だという。彼女は最近TikTokにいくつか動画を投稿し、粉ミルクの自家製をやめるよう説得し、粉ミルク不足にまつわるデマの誤解を解いている。「乳児には特定のものが必要です」と彼女は言う。「粉ミルクには少なくとも29種類の栄養素が含まれていなければなりません。しかもそのうち9種類は最大量です。こうした栄養バランスを家庭で再現するのは無理です」。また食の安全性の問題もある。「殺菌や細菌汚染の問題もあります。生乳を使用する場合はとくに、その点にも注意しなければなりません」

専門家が言うには、これは火遊びをするようなものだという。エイブラムス教授によれば、自家製の粉ミルクに全栄養素が十分に含まれているとしても、乳児に与える際には他にも問題があるという。「適正量の栄養素が含まれているかのように聞こえますが、栄養素を混合させても赤ちゃんが吸収できない場合もあるのです」と教授。「中には、赤ちゃん用としては殺菌が不十分で使えないものもあります。短期間ならOKです、ご家庭で混ぜるだけです、と言ってほしい気持ちはわかりますが、それはできません」

ブロガーのノヴォトニーさんも、人参ジュースと山羊ミルクのレシピを試す前に医療関係者や栄養のプロに相談するべきだと認めている。だがそれでも、公に投稿することが悪いとは思っていない。「医療専門家として投稿しているわけではありません」と彼女は言う。「単にレシピを投稿しているだけです」

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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