moonridersが持つ徹底的な民主主義性、鈴木慶一らと新アルバムを全曲語る



田家:この曲もタイトルに意味がありそうです。10曲目「彷徨う場所がないバス停」。

鈴木:1つ事件がありまして、東京の笹塚とか幡ヶ谷あたりでバス停のベンチで暮らしていた女性がいたんです。わりとお歳をめした。その方が殺害された。それがショックで、こういうことが起きてはいけないことで、この曲の歌詞を作ってしまった。滅多にないことですね。

田家:なるほど、ジャーナルな歌なんですね。

鈴木:殺害した方も自殺してしまったんです。なんともやるせないというか、言いようのない事件です。そういうこともあって、家のない方、虐げられている方とか、そういう人をいじめるとかディスるとか、そういったことに対する私の反応ですね。

田家:東京はこうなっているんだという歌でもありますね。東京だけじゃないな、大阪もこうなっていますね。

佐藤:世界中がそうなんじゃないですか。

田家:これはみなさんで歌ってらっしゃると、曲の感じが全然変わりますね。

鈴木:いろいろな方向からコーラスが聴こえてくる。

佐藤:違う歌詞が被さってきますよね。

鈴木:言いたいことがいっぱいあるので、同じ行に違う歌詞をプラスして置いた。

佐藤:1つのメロディに違う歌詞でユニゾンしていますもんね。

鈴木:そうです。場所を動かすと聴こえてくる。リードボーカルの私がどんどん動いていって、コーラスが聴こえるようにして。

田家:その演劇感みたいなものがすごいですね。

鈴木:ミニオペラみたいなね(笑)。

田家:それはそういうイメージで?

鈴木:そういうのを作ってみたいなと前々から思っていて、実験してみました。エンディングの方にはビーチ・ボーイズ的なコーラスが入ってきますけど、あれはシンセサイザーでのボイスと混ざってます。デュッデュデューって言っているのはシンセです。

澤部:そうなんだ!

Rolling Stone Japan 編集部

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