moonriders特集、鈴木慶一の自薦22曲と共にデビューから現在まで46年の歴史を語る



1973年のはっぴいえんど、文京公会堂の解散コンサートというのがmoonridersの第一歩であったわけです。そのときはオリジナルのmoonridersで松本隆さんがプロデュースでドラムを叩いていた。命名したのがはちみつぱいをやっていた鈴木慶一さんで、慶一さんははっぴいえんどのステージでピアノを弾いていた。その後、細野さんとか松本さんがプロデュースするいろいろなアーティストのアルバムにmoonridersは参加して名演を残しているわけですね。70年代に同じところから始まった、事務所も一緒でした。そういう始まり方をしていたバンドのその後の軌跡は対照的ですね。

70年代の終わりから80年代にかけて、細野さんがYMOでやっていたようなことをmoonridersは6人バンドでもっと徹底してやろうとした。このへんが明らかに違いますね。テクノ、ニューウェーブの時代を駆け抜けた。でも、みんな同じようなことをおもしろがれたというのが、moonridersが今も続いている最大の要因でしょうね。同じロック喫茶に6人全員で揃って新しい音楽を聴きに行く。君ら学生か! って感じがありました。それが彼ら流のプロのバンドの在り方だった。今回のアルバム『It’s the moooonriders』をそういうバンドが作ったアルバムだと思って聴くと、違う聴こえ方がするのではないでしょうか。2年半で解散したはっぴいえんどと46年続くmoonriders。それぞれが違う伝説の主ということが今月の趣旨でもあります。あらためてそんなことを思いながら来週以降も聴いていただけると幸いです。



<INFORMATION>


田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
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Rolling Stone Japan 編集部

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