鈴木慶一自薦22曲で語るmoonriders、澤部渡や佐藤優介とともに46年の歴史を辿る

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Morons Land / moonriders

鈴木:詞曲はかしぶちくんですね。このアルバムもハリー吉田さんがレーベルを作って移籍したので、そこで出そうということです。作っている最中に9.11があり、私がちょっと恋愛的にひどいことになり、途中ですごく路線変更するんです。本来はトルビューンというか、新聞のような感じではなかったのですが、これは新聞がいいんじゃないかなと作り込みましたね。

田家:時事的なアルバムになった。

澤部:僕もわりとmoonridersの序盤に聴いたんですけど、このアルバムはすごいですよ! もっと今後未来に向けて聴かれていくアルバムなんじゃないかなって。

鈴木:ジャケットも石器時代の絵のようだったりして、裏のジャケットにみんなで書いたサインがあったりするんです。

田家:澤部さんがおっしゃるすごいっていうのはどういう?

澤部:まずは音響的にとんでもないというか。とにかく全てが極端なぐらい音響的に設計、デザインがとち狂っている。何回聴いてもどうしてこういうふうにしたんだろうというのが、聴けば聴くほど分からなくなっていく。

佐藤:すごいカオスですよね。音楽もそうですけど、ブックレットもすごい凝ってますよね。

澤部:そうそう、本当に新聞みたいになっているんですよね。

鈴木:ブックレットもほとんど私がやったんですけれども。

澤部:えー!

鈴木:もとの新聞記事はあって、それを書き換えてしまって、別のものにしちゃうと。

佐藤:歌詞以外の文字がたくさんあるんですよね。

鈴木:だからジャケットの中のインナースリーブも見ていただけると楽しめますってことなんですよ。

佐藤:当時僕は中学生でしたけど、このアルバムを聴いて、歌詞カードを読みながら聴いたりして、アルバムってこんなにすごい表現ができるんだって初めて思いました。

田家:ゲーム音楽で接した慶一さんの音楽と、こういったジャーナルなものってまた別なものでしょ?

佐藤:そうですよね。本当に肌で感じたというか、アルバムとしての音楽芸術でした。

田家:慶一さん詞曲の「Lovers Chronicles」の中には第三次世界大戦が出てきたりしている。

鈴木:そうですね。そんな話もしたりした。それは9.11があって、その後ですから。1962年のキューバ危機が頭をよぎりましたよ。

田家:2001年はバンドの25周年なわけでしょ?

鈴木:そうですね。25周年にこういう時事放談みたいなのができてしまうという、やはり社会の動きとどうしてもリンクする。リンクするというか、刺激と言ったら語弊があるかもしれないけど起きたことに対して何をしようかということですね。

田家:『ムーンライダーズの夜』もそうですけども、この『Dire Morons TRIBUNE』は本当に時代と一体になっている感じがありますね。で、ここまでが第二期ということなんでしょうかね。

鈴木:そうですね。ここまではレコード会社に所属していました。この後、MOONRIDERS Recordsというのを作ります。自分らのレーベルですね。

田家:そこで出たアルバムが次の曲ですね。2005年のアルバム『P.W Babies Paperback』から「ヤッホーヤッホーナンマイダ」。

Rolling Stone Japan 編集部

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