鈴木慶一自薦22曲で語るmoonriders、澤部渡や佐藤優介とともに46年の歴史を辿る

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田家:詞が慶一さんで曲が岡田さん。

鈴木:この曲を聴いたときに遡れば「黒いシェパード」って曲を聴いたときを思い出し、これはなんだか非常に奥深いものを作らないといけないなと思いました。この曲はずっと繰り返しなので、1人ずつ1番ずつ歌って、生まれ月順にいこうと。私が8月生まれで、次がかしぶちくんか。

田家:11月。

鈴木:そして、武川だ。

田家:はい、12月。

鈴木:それで白井良明だ。

田家:2月。

鈴木:そして岡田くんで鈴木博文と。

田家:5月。

鈴木:そういう歌いまわしで、その人をじっくり観察してきてるわけで。この人こういう人だよなあって似合うような歌詞を作ってみましたね。これを森山良子さんが気に入ってカバーしてくれました。

田家:東京をタイトルにしている、東京のバンドなんだよという。

鈴木:東京をテーマにしようというのは、その前に出たミニアルバム。

澤部:『Here we go’round HQD』。

鈴木:あのへんで東京をテーマにし出したんですよね。で、一気に行ってしまおうと。いろいろ東京的なバンドとは言われましたが、どちらかと言えばエッジに住んでいたり、東の方に住んでいたりとか。

田家:まだはっぴいえんどが(笑)。

鈴木:それをちょっと1回出しちゃってみようと。

田家:お2人はmoonridersに対して東京のバンドという意識は思われたことありますか?

澤部:僕はあります。はっぴいえんどが山手線の内側だったら、moonridersは外側。

鈴木:おっしゃる通りだ(笑)。

田家:佐藤さんは?

佐藤:僕は生まれがド田舎だったので、東京なんて全然想像もつかない場所で。

鈴木:福島か。

佐藤:はい。でも2007~2008年ぐらいに上京してきて、東京で聴いた初めてのアルバムが『Tokyo7』でしたね。

鈴木:それはよくできた話ですね(笑)。

佐藤:でも、このアルバム結構プログラミングとかエディットがちょっと減って、バンドの生音の割合が増えましたよね。それがすごい、「あ、ここでこういうサウンドが前面に来るんだ」って。

鈴木:時々そういうことがあるんですね。例えば、ファンハウス時代のカバーアルバム『BYG - High School Basement1』とかは生音ばかり使ってます。かしぶちくんと鈴木博文と白井良明はアートポートというユニットをやってまして、その3人でやるとおもしろかったりするんです。生音重視っていうときが10年に一度ぐらい訪れる。

田家:このアルバム『Tokyo7』はとてもポジティブなアルバムだなとも思ったんですよね。誰もが明日を掲げて、僕らは繋いで広がるとか、それぞれの中には叩き割っても愛は壊れないとか。グッドメモリーは結んで開いて手を打とうとかですね。

鈴木:歌詞においてはやはりみなさん経年劣化ではなくて、経年進化みたいなものもあったんじゃないですか。

田家:うん、深くなる深化でもあるでしょうしね。

鈴木:もう50代ですしね。そういったところもあったと思いますよ。歌詞に対してあまり「ここ直した方がいいんじゃない?」っていうのがなくなったんです。「これでいいんじゃない?」っていうことになりました。

田家:そういうことを本当にみなさん自然にお書きになったアルバム。バンドが無期限活動休止を宣言したのがこのアルバムの2年後2011年でした。慶一さんが選ばれた21曲目、2011年12月のアルバム『Ciao!』から「折れた矢」。

Rolling Stone Japan 編集部

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