Haruyが語る、HSU(Suchmos)と交わした会話

今は明るすぎないとか、ポップすぎないものが落ち着く

―そうやって完成させたEPに『MAO』というタイトルを付けたのはどうしてですか?

Haruy:「Me Among Others」の略で『MAO』というのがまずあって。あと、私の声や歌が「癒し」という話をしましたけど、モノアミンという、ドーパミンとかアドレナリンの神経伝達物質の総称があるので、それも含めて『MAO』にしようと思って。「Me Among Others」は「私とそれ以外のもの」という感じなんですけど、私と隼太さんの間でできた楽曲たちだし、隼太さんとリスナーの方とか、私とリスナーの方とか、リスナーの方の何かとか……そういう、何かと何かの間にあるようなEPだなという要素を感じていたので、このタイトルにしました。楽曲のタイトルは大体全部、隼太さんからトラックのデモがきたときに付いていたタイトルそのままです。



―今は、音楽で生きていこうと腹を括った感じですか?

Haruy:そうですね、はい。バンドをやってるときも思ってましたけど、やっぱり楽しいなという感覚がすごくあるし。アドレナリンがブワーって体のなかから出てくる感じが、音楽をやっているときにすごくあるので。その感覚は就職したらなかなか難しいのかなって思ったり(笑)。音楽でやっていけたらいいなと思ってますが、それは簡単じゃないということも同時に思ってます。

―そうですよね。「Swimmer」「Ryan」のジャケットはご自身で描かれていますよね?

Haruy:あ、そうです。はい。



―音楽をやられていて、映画も詳しくて、絵も描けるとなると、今後は音楽に限らず色々クリエイトしていきたいという想いがありますか?

Haruy:えー……今のところ全然ないですね。絵は、中高が美大の付属に行っていたので油絵とか工芸も授業でやっていて。それがあって手を動かすことはできるんですけど、「楽しいなあ」くらいで、別に表現としてやろうとはそんなに思ってないです。映画も好きですし、ギャラリーや美術館に行くことも好きですけど、やっぱり自分で音楽を作り出すのは全然違う感覚になるなあっていうのをひしひしと感じています。

―そういう中高に通っていたというのは、小さい頃から絵を描くのが好きだったとか?

Haruy:母親が入れただけっていうのはあるんですけど(笑)。でも好きでしたね。音楽も好きでしたし、絵を描いたり工作したりするのも好きでした。母親が音楽好きなので、記憶がないくらい小さいときからライブにいっぱい連れていってくれて。音楽を仕事にしたら嫌いになっちゃうかもと思って、若干逃げみたいな感じで、映画を仕事にしようと思って大学を選んだんですよね。

―でも、音楽の道に導かれてしまったと。

Haruy:そうですね。こういう機会があって、タイミングがあって、いろんなことが重なってこのEPになって。やっぱり、どうなるかわからないというか。コロナもそうですし、ウクライナの戦争もそうですし、予期できないことがたくさん起こるから、もう今を生きるしかない、進んでいくのみという気持ちですね。

―この先は、どういうふうに音楽作っていこうと思っていますか。もうすでに作っています?

Haruy:作り始めているんですけど、すごく暗い曲ばっかりできちゃって(笑)。楽しんで作っているんですよ! でも時間をおいて聴いてみたら「なんか暗くない?」みたいな。今その沼にハマっています(笑)。

—でも、素直に作るのが一番大事だから。

Haruy:そうですね。でも、ちょっとバランスを考えなきゃなと思っていたりします。そういう曲もあっていいけど、私の感情はそれだけでもないので。自分でも不思議なんですけどね。今は明るすぎないとか、ポップすぎないものが落ち着くから、そういうのを作っちゃってるのかな。でもそうじゃない曲も作りたいという気持ちがあるので、挑戦していこうと思っています。

<INFORMATION>


『MAO』
Haruy
SPACE SHOWER MUSIC
発売中

1.Snake
2.Swimmer
3.Lovely
4.Don’t catch the now
5.Ryan

https://haruy.lnk.to/MAO



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