小田和正、最新作『early summer 2022』を評論家・小貫信昭と語る



田家:アルバム5曲目です。「so far so good」。NHKのドラマ10『正直不動産』の主題歌ですね。小貫さんが書いた小田さん関連の本は3冊あるんでしょ? 『YES-NO小田和正ヒストリー』、『小田和正ドキュメント1998-2011』、『小田和正インタビュー たしかなこと』。それぞれの本でいろいろな発見があったり、あらためて思ったことがあったり、この本を書いてよかったなと思ったりというのはどんなことですか?

小貫:究極のインタビュー集みたいな感じで、全共闘世代としてとか、オフ・コースとか、自分の声についてとか、テーマもいろいろカラフルに触れられたので。あのインタビュー集はなかなかよくできたのではないかなと。ドキュメンタリーは活動なので、偏った見方にならないようにということで、スタッフの方々にも協力してもらって、もちろんご本人のお話も交えて書いた感じですね。

田家:『小田和正ドキュメント1998-2011』を拝見して、あまりメディアでは流れなかった交通事故のことがあったでしょ。あれをかなり詳しくお書きになっていたので。

小貫:そうですね。ご本人も時間が経ったからなのか、振り返ってくださってましたけども。

田家:やっぱりあの事故で活動とか、いろいろな考え方とか以前と以後ぐらいに変わったと思われます?

小貫:そうだと思うんですけど、ガラッと変わったということではないんじゃないんですかね。当然、作品を作るにしても、より1作1作みたいな気持ちはあったんだろうなとは思うんですけど。よく言う神様からもらった2番目の命なんだどうのこうのって言い方があるじゃない? そういう感じじゃないと思うんですよね(笑)。

田家:この「so far so good」は、まさに『early summer 2022』の歌という感じで。この曲はどういうふうに思われたんですか?

小貫:「ラブ・ストーリーは突然に」にちょっと似てるなと。小田さんがアッパーでポップな曲を意識して書いたものじゃないですかね。

田家:ちゃんとライブを想定しながら。

小貫:ドラマ情報とか、原作コミックも読んで書いているみたいですけど、コメディなんだということが小田さんの頭の中にあったみたいで。そのへんがこういうポップな感じのものに辿りつく上で影響を与えたのかなと思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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