小田和正、最新作『early summer 2022』を評論家・小貫信昭と語る

田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」6月15日に8年振りのアルバム『early summer 2022』を発売する小田和正さんの特集。今週はパート1。小田さんのことをたくさん何度もインタビューしている。そして、小田さんについての本を3冊書いている。1番親しい評論家と言っていいでしょうね。小貫信昭をゲストにお送りしました。アルバムは全9曲入りで、今日ご紹介できたのが7曲。残りの2曲は来週ということになります。流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさん「静かな伝説」です。



アルバムを聴いた第一印象、感想が「あーしみじみしていているなあ」ということと、「もう全く無駄がないな」という2点でしたね。言葉の間とか、演奏の空気、タイミング、いろいろなこともあって全体のそういう感じが出てくるんでしょうけども、どこまで意図して作ったのかは分からないのですが、本当にゆったりしていて、しみじみしていて、気持ちよくなれてじっくりじんわりするアルバムだなと思ったんです。

いきものがかりの水野良樹さんは、『クリスマスの約束』のレギュラーメンバーですけども、水野さんと小田さんが「HIROBA」というプロジェクトを組んだことがあって、曲のプロデュースを小田さんにお願いした。そのときの話を水野さんがしているのをファンクラブの会報で読んだのかな。一緒にやったときに小田さんの作り方の丁寧さに衝撃を受けたという話をしていました。一行とか一言が歌い方、そのニュアンスでこんなに曲が変わるのかというのはあらためて教えられて、自分の作り方はなんだったんだろうと思わされたというエピソードがありました。今回のアルバムも計算の末の産物ではないでしょうか。

つまり、さっき小貫さんが言っていた“青空”という言葉をどのくらいの間でどのくらいの強弱で、どの音の間にそれを乗せればいいのか、全部計算して作っているんだと思うのですが、それを語りませんね。特に今回のアルバムは語らないアルバムにはなっているわけですけれども、そういう到達点をあらためて感じられるアルバムなのではないかと思います。ツアー中に75歳になるんですよ。ステージを走ったりすることがイメージになっていますが、それがどのくらいハードなことかは同世代としてよく分かります。これが最後のアルバムになることはないんでしょうが、最後のツアーになることがあったりするかなと思いながら今月をお送りしようと思います。小貫さんは一番近しい評論家でもあるわけですが、来週は1番古い制作者、フジパシフィックミュージックの代表取締役会長朝妻一郎さんをゲストにお送りしようと思います。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
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月 21:00-22:00
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Rolling Stone Japan 編集部

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