スラッシュが語る最新作『4』とライブ復活への想い、飛ばされないギターソロの条件

スラッシュ、マイルス・ケネディ&ザ・コンスピレタースを率いてのツアーにて。2022年2月撮影(Photo by Mat Hayward/Getty Images)

 
スラッシュfeat.マイルス・ケネディ&ザ・コンスピレイターズにとっての第4作、その名も『4』が、6月22日にようやく日本での発売を迎えた。今作はアメリカ本国では去る2月にリリースされているが、レーベルの契約上の都合により我が国での発売がなかなか決まらず、こうしてまさに満を持しての日本盤登場となったわけである。カントリーの聖地であると同時に米国随一の音楽都市といえるナッシュヴィルにて、いわゆるスタジオ・ライブ的に録音されたというこの作品について、この機会に改めてスラッシュ自身に語ってもらおう。ちなみに電話を介しての今回の貴重なインタビューが実現したのは、6月8日のこと。それはガンズ・アンド・ローゼズの新たなヨーロッパ・ツアーの第二夜にあたるスペイン公演の翌日のことで、彼自身も当然ながらスペインに滞在中だった。


―ガンズ・アンド・ローゼズの新たなツアーが始まったばかりですよね。調子はどうですか?

スラッシュ:うまくいってるよ。昨夜は過去最高のショウのひとつになった。この先ヨーロッパ各地、南米、アジア、オーストラリア、ニュージーランドと続いていく今回のツアー自体がすごく楽しみだ。いい感じでスタートを切れると気分も高まるんだ。なにしろ都市によってはロックダウン以降初の大きなコンサートだったりもするから、来てくれる観客の盛り上がりもすごいしね。

―想像するだけで羨ましくなります。ところでさっそく本題なんですが、あなたの最新アルバム『4』がようやく日本盤として登場することになりました。アメリカからの輸入盤が早々に品薄になっていたこともあり、日本のファンは今回のリリースをとても喜んでいるはずです。そんなわけで、このアルバムについて改めて聞きたいんですが、レコーディングを終えた昨年当時と現在とでは、作品自体に対する感触も変わってきているのではないでしょうか?

スラッシュ:正直に言うと、俺、作り終えた後のアルバムは聴かないんだ(笑)。だから感触の変化について言うことは難しい。ただ、ヨーロッパに来る前にたまたまラジオでかかっていたのを耳にしたんだけど、すごくいいと思ったよ。サウンドも気に入っているし、スタジオではこれまでのどのセッションよりも楽しい最高の時間を過ごすことができた。これまで3枚アルバムを作ってきて、このバンドが今どこにいるかを最高の形で体現できた作品になったと思う。だからこそ俺も嬉しいよ、ようやく日本でリリースされることがね。日本のファンがどんなふうに受け止めてくれるかが楽しみだ。



―あなた方が最高の時間を過ごしたのは『RCAスタジオA』という由緒正しい伝説的なスタジオですよね。そこを選んだ狙いというのは何かあったんですか?

スラッシュ:いや、噂は聞いていたけどこれまで行ったこともなかったし、あのスタジオのことをそれほど知っていたわけじゃない。ただ、(プロデューサーの)デイヴ・コブと仕事ができるのを楽しみにしていたというのはある。全員がその場で同時に「せーの!」でライブ録りするってことだけは決めていたので、そのプロセスが何より楽しみだった。そのスタジオは、デイヴが拠点にしている素晴らしいスタジオで、オールドスクールなアナログ機材を備えた、とてもでっかい部屋なんだ。そこに流れる空気自体が最高なんだよ。かつてその場でレコーディングしてきた大物アーティストたち、たとえばチャーリー・プライド、ウェイロン・ジェニングス、ジョニー・キャッシュ、ウィリー・ネルソン、ドリー・パートンといった人たちのモノクロ写真が壁じゅうに飾られていてね。スタジオの中でのごく自然な姿を捉えた写真ばかりなんだ。そんな場所だから、とにかくいいヴァイブが感じられたよ。

―そうした伝統ある場所には歴史が染みついていて先人たちの魂が宿っている、みたいなことがよく言われます。そうしたものも感じましたか?

スラッシュ:ああ、間違いなくあった。エネルギーが感じられるというか、そこに居るだけでクリエイティブにさせられる何かがあるという感じだったね。あそこでやれてすごく良かったと思ってる。

Translated by Kyoko Maruyama

 
 
 
 

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