ーー理路整然とした理系脳は、BLACKPINKでも活躍していますか?もちろんです。4人だけにされたら、私たちは何ひとつ完成させられないと思います。遊んでしまうでしょうね。部屋に閉じこめられて鍵をかけられても、音楽をかけて踊ってしまいます。でも、私は締め切りやその日のノルマのことをずっと考えてしまうんです。だから、みんなにもリマインドするんです。
ーーBLACKPINKの音楽について話しましょう。プロデューサーのテディ・パク氏は、BLACKPINKの創造的プロセスの中心人物と言っても過言ではありません。プロデューサーとして、パク氏はどんな人物ですか?オッパ(訳注:韓国語で「お兄さん」を意味する言葉)は、アーティストとして、そして人として必要な思考を私たちに植えこんでくれます。私は、自分なりの独創的な方法でアイデアを表現しようとします。オッパは、突然電話をかけて「なあ、JENNIE、俺たちはステップアップしないといけないんだ」と言ったりするんです。すると、「オッパの言う通りだ」と気づき、その時やっていたことをやめて、(YGの)オフィスに戻ったりダンスの練習をしたりします。電話がくるだけで、背筋が伸びる気がします。BLACKPINKに欠かせない、良い意味での緊張感を与えてくれる存在です。
ーーパク氏は「根っからのヒップホッパー」で、あなたはその精神の継承者だと話していましたね。ヴァイブとかスワッグ(訳注:「やばい」や「かっこいい」を意味する韓国語の「스웩」に由来する言葉)とか、呼び方は何でもいいのですが、私にとってヒップホップは、カッコいいものを表す精神です。BLACKPINKのヒップホップは、世界にとってまったく新しいものだと思います。いろんなバックグラウンドをもつ20代の女の子4人が韓国語と英語を使ってヒップホップをベースにしたポップ・ミュージックをつくり上げようとしているのです。“本物のヒップホップ”をやっているアメリカのとびきりクールなラッパーたちからすれば、私たちがやっていることは“おままごと”のように見えるかもしれません。でも、私たちのヒップホップは反抗的なものではなく、私たちはあくまですごくカッコいいことをしているんです。それがヒップホップの本質ではないでしょうか? よくわからないけど! ただクールなんです!
ーーお気に入りのヒップホップグループは?ブロックハンプトンが大好きです。いろんなパートをこなす若い人たちが一緒に音楽をつくっている姿に共感します。
BLACKPINKのJENNIE(2022年4月9日、韓国・ソウルにて撮影)Photograph by Peter Ash Lee for Rolling Stone. Top and cardigan by Chanel. Pants by Calvin Klein