小田和正、8年振りアルバム『early summer 2022』を朝妻一郎と紐解く



田家:アルバムの1曲目らしい曲ですよね。

朝妻:そうですね。

田家:この曲はコーラスが根本要さん、和田唱さん、JUJU、松たか子さん、大橋卓弥さん、矢井田瞳さん、熊木杏里さん、水野良樹さん。「クリスマスの約束」のバンドメンバー。

朝妻:もうフルメンバーですね。

田家:朝妻さんは小田さんのことを日本のクインシー・ジョーンズだとお書きになっていましたね。

朝妻:それを言ったときには「クリスマスの約束」はまだやっていなかったと思うんだけど、明らかに小田くんがクインシー・ジョーンズみたいな力を持っていることを具体的に示していて。例えば、彼は自分の作る音楽の幅を超えて、レナード・バーンスタインの音楽や、ベルト・ケンプフェルトの音楽を研究したりして。ベルト・ケンプフェルトって、今の人はあまり知らないかもしれないけど、ウェイン・ニュートンがヒットさせた「ダンケ・シェーン」とかフランク・シナトラの「夜のストレンジャー」とか、ともかくいろいろな人にいい曲を書いているわけ。そういう曲の構成がどうなっているかを小田くんはすごく研究してた。音楽に対する取り組み方が普通のミュージシャンより、もう一段か二段上だって感じがして、これはクインシーの音楽の取り組み方と結構似ているなと思ったんだよね。「クリスマスの約束」は、クインシーが「ウィー・アー・ザ・ワールド」をやったのと同じようなもので、やっぱり小田くんってクインシーみたいな才能の持ち主なんだなとあらためて感心したんです。

田家:そういう曲でアルバムが始まっております。こういう話は朝妻さん以外にお聞きすることができないだろうなという回です。

Rolling Stone Japan 編集部

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