all at once、Tani Yuuki、あたらよ、新世代アーティスト3組が札幌を彩った一夜

続いて登場したのは北海道出身のITSUKIと宮崎県出身のNARITOによるボーカルデュオ・all at once。アカペラでの美しいハーモニーから始まる「年をかさねて」で、会場をやわらかく包んだかと思うと、心が弾む高揚感に満ちた「Fanfare」でクラップを巻き起こし、ファンクナンバー「Take mo’Chance」で会場をカラフルに染め上げてオーディエンスの熱を一気に引き上げた。

活動期間のほとんどをコロナ禍の中で過ごしてきたall at onceは、あたらよと同様に北海道でのライブは今回が初。ITSUKIにとっては念願の凱旋ライブでもあり、万感の思いを込めた「ただいま」に、会場からは「おかえり」の声が上がる。「北海道では8月が七夕なんだよ」とITSUKIが道民ならではの豆知識をNARITOに伝えつつ披露したのは、七夕を表す季語をタイトルにした「星合」。「大切な人に会えない」というここ数年、誰もが経験したであろう切ないもどかしさを織姫と彦星に重ねて歌い上げた。


all at once(photo by 千葉 薫)

さらなる盛り上がりを見せたのは、この日配信スタートを迎えたという「RIVALS」。アニメ『シュート!Goal to the Future』のエンディング主題歌として書き下ろされた新曲で、切磋琢磨しながら自分を成長させてくれるライバルの存在を歌ったもの。「夢を持っている人に届く曲なので、すべての人に聞いてもらいたい」と曲に託す思いをITSUKIが語った。

フレンチポップ調でキャッチーな「マカロン」、躍動感あふれる「Mission to the moon」と、磨き上げられた豊かな表現力と美しいハーモニーで会場を魅了し続けたall at once。

「コロナ禍の中でライブができず、音楽を続けられないんじゃないかと悩んだこともありました。今日、ライブができて本当に嬉しく思います」と喜びを溢れさせ、全身でこの瞬間を楽しむ2人は終始笑顔。最後は伸びやかなハイトーンが美しい「蒼空」を響かせ、ステージを後にした。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE