all at once、Tani Yuuki、あたらよ、新世代アーティスト3組が札幌を彩った一夜

トリを飾るのは、「Re:PHASE VOL.1」にも出演していたTani Yuuki。バンドメンバーが先にスタンドインし、カホンのリズムと共に始まったセッションとそれに呼応する会場内のハンドクラップの中、数時間前に札幌ドームで行われたファイターズ戦のスペシャルライブにて着用したオリジナルユニフォームを羽織ってTani Yuukiが登場。湧き上がる歓声の中、そのままシームレスに1曲目「決別の唄」、リズミカルなポップナンバー「Unreachable love song」と曲をつないでいく。


Tani Yuuki(photo by 千葉 薫)

札幌でのライブは前回の「Re:PHASE VOL.1」を含めて今回が2度目だというTani Yuuki。「いつか札幌ドームでワンマンをやりたいです!」と誓いのMCを挟みながら、デビュー曲「Myra」をはじめ、「油性マジック」、「愛言葉」を次々に重ね、豊かな語感、心地よいフロウといった表現の多彩さと、一音一音が心の深部へと響く繊細な歌声でもって、オーディエンスの琴線を揺らしていく。札幌ドームからライブをはしごしている人もいて、客席とコミュニケーションを図りながら嬉しそうに目を細めるTani Yuuki。不安や葛藤を抱えている人、夢を追いかけている人に向けた疾走感溢れるロックナンバーで会場を大いに沸かせた。

「自分を縛り付けていたものから解き放ってくれた大切な1曲です」との言葉を添えて、TikTokでの総再生回数6億超のシングル「W/X/Y」でライブは幕を閉じるも、会場からは当然アンコールが沸き起こる。

「じゃぁ、やりますか!」と笑顔を広げたTani Yuukiは、アコースティックギターをキーボードに変え、繊細で美しい旋律とともに、世代を超えて響く応援ソング「自分自信」を披露。あたたかな拍手と歓声の中、Re:PHASE vol.2は充実のエンディングを迎えた。

コロナ禍により、あたり前があたり前ではなくなってしまったこの時代。多くの表現の場が失われていった中でも、TikTokをはじめ様々な手段で楽曲を披露し、ひたむきに歩み続けてきた未来を担う新世代アーティストたち。彼らの進む道に、力強い光が差し込むのを確かに感じた夜だった。

text by 悦永 弘美



<イベント情報>

「Mount Alive presents Re:PHASE VOL.2」

2022年7月3日(日)北海道・ EZOUHUB SAPPRO
出演者:あたらよ / all at once / Tani Yuuki

all at once 公式HP:https://aao.beinggiza.com/

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE