眞島秀和が語る、『破戒』が描く差別問題と縁を大事にする生き方

「私たちがどのように行動すれば、より良い世の中になっていくのか。その正解は誰にも分からないし、自分の頭で考えるほかないのですが、だからこそその基盤となる『教育』はとても大切だということを、この映画は思い知らせてくれます。映画を見て感じたことを持ち帰っていただき、家族や友人たちと話し合うきっかけになったらとてもうれしいです」

ところで、この映画はコロナ禍で撮影が行われている。映画業界は今、どのような状況なのだろうか。

「今年に入り、少しずつ映画館にも劇場にも人が戻りつつあるのかなと思いますね。とにかく私たちは、『エンターテインメントを絶やさない』というテーマのもと、万全の感染予防対策をしながら前に進んでいくしかないのかなと思っています。撮影の仕方も、この2年くらいでだいぶ慣れてきましたね。リハーサルも含め、本番直前までマスク着用することなどコロナ禍以前にはなかったことですが、それによるストレスも減ってきているように思います。作品の届け方も、最近は配信が充実するなどニューノーマルに合わせてシフトしてきていますよね。映画は映画館で観るのがベストだと個人的には思いますが、選択肢が増えること自体は良いことなのかなと思っています」



俳優としてデビューしてからすでに20年以上も第一線で活躍し続けてきた眞島。20代、30代と駆け抜け、40代も半ばになった今、挑戦してみたいことは何か最後に聞いてみた。

「『こんなことがやってみたい』とか、そういうビジョンを昔から持たない性格なんですよ(笑)。逆に、『あれはやりたくない』みたいなこだわりも特にないですし。今までもそうであったように、これからもずっと、いろんな縁があって必要とされた場所で、いただいた役を自分なりに楽しみながらしっかりと演じていくだけです」



眞島秀和
1976年生まれ。高校卒業後に映画『青/chong』(2000年/監督:李相日)の主演でデビュー。映画・ドラマ・舞台など幅広い分野で活躍し、社会現象化した『おっさんずラブ』(18年)など話題作に出演し、人気バイプレイヤーとしての地位を確立している。また、自身のルーツを辿りながら、大好きな故郷 米沢の魅力を伝える一冊『眞島秀和 PHOTO BOOK Home』も発売中。


『破戒』
7月8日(金)より、丸の内TOEIほか全国ロードショー
配給:東映ビデオ
©全国水平社創立 100 周年記念映画製作委員会


ロケ地協力:NELSON’S BAR Alta Mar

Photo = Mitsuru Nishimura Hair and Make-up = Yuuka Saeki

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