カオティック・ハードコアの雄。そう呼ばれ続けてもう10年ぐらい経ってる気がする。変拍子を多用したり、不協和音が混在するフレーズをあちこちに張り巡らしたり、複雑なアプローチとともに繰り出されるその音楽は、確かにカオティックかもしれない。しかし、混沌としたように聴こえるのは、技術的な部分じゃない。感情の問題だ。バンド結成20周年の節目に発表される通算8枚目の新作。より混沌としているのは、これまで以上に感情がこんがらがっているからである。怒りや諦念、痛みが凝縮された曲の数々。オールドスクールなスラッシュを連想させる荒々しさもあれば、人間のダーク・サイドに焦点を当てたかのような重苦しい響きもある。つまり、肉体にも精神にも結構迫ってくる音なのだ。10月にはマストドン、ハイ・オン・ファイヤーらと全米ツアーを敢行。12月にはブルータル・トゥルースとともに来日ライヴを行う彼ら。迷わず行け!

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