小田和正が追求する音楽の普遍性、オフコース時代から現在までを辿る

田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」。6月15日に8年振りのアルバム『early summer 2022』を発売した小田和正さんの特集。今週はパート4。同世代の取材者というよりも同世代の聴き手の1人としてお送りしました。流れているのはこの番組の後テーマ竹内まりやさんの「静かな伝説」です。



話しているといろいろなことを思い出して、とりとめなくなるかなと思いましたがなんとか辿り着きました。実はゲストに小田さんの事務所ファーイーストクラブの副社長吉田雅道さんにお願いできませんか? という話をしたことがあるんです。出演は叶わなかったんですけども、久しぶりにお茶でも飲みましょうよということで話をしたんですね。彼はオフコースカンパニーに入って、30年以上小田さんと一緒にパートナーとして仕事をされているわけで、あらためて小田さんのことをどう思っているんだろうと思って訊いてみたりしました。話の中でいくつか印象的なことがあって、絶対に嘘をつかない。いい加減な話をしない人ですねと。そして、ともかく音楽が大好き。それしかない人ですねと言っていましたね。

業界は適当なことが多いですから、その場限りでなんとか収まればいいやみたいな話が結構あるんですけど、そういうことは絶対に許さない。それは絶対に見透かされる。本音で話をしないと始まらない。それはずっと変わらないんだろうと思います。もし、変わったことがあるんだとしたら、“終わり”の意識でしょうね。嫌でもそういうときが来るんだということを実感として捉えるようになった。冒頭でお聴きいただいた「NEXT」のように〈僕らの終わりは僕らで終わる〉というのとは少し状況が違う、そういう年齢に差し掛かっているということですね。でも待っている人がいて、必要としている人がいるなら歌う。そういうところに差し掛かっている小田和正さんですね。

冒頭を「NEXT」で始めましたけども、オフコースの1982年の伝説の武道館10日間のコンサート。最終日6月30日のライブがボックスで8月30日に出るんだそうです。そのライナーノーツを書くことが決まっております。最後はお知らせでありました。ともかくツアーがいいツアーで最後まで行って、小田さんがまた歌おうと思ってくれることを願いながら終わりたいと思います。



<INFORMATION>

田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

「J-POP LEGEND FORUM」
月 21:00-22:00
音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。
https://cocolo.jp/service/homepage/index/1210

OFFICIAL WEBSITE : https://cocolo.jp/
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Rolling Stone Japan 編集部

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