スーパーオーガニズム×CHAI対談 自由でパンクな2組が分かち合うもの

 
「いたから呼んだ」気軽な遊び心

ースーパーオーガニズムの新しいアルバム『World Wide Pop』にはCHAIが参加している楽曲や声をサンプリングしている曲がいくつかあって、CHAIも「HERO JOURNEY (feat. Superorganism)」をリリースしますが、最初に録ったものはどれですか?

オロノ:「Teenager」。SXSW(2018年3月)のときホテルの部屋に行って録ってもらったのが最初。

ー2018年には「Teenager」の原型があったということですか?

オロノ:うん。2017年の夏の終わりにはもう原型ができてた。2019年の終わりくらいにはもうアルバムのほぼ全部が完成してた。



ーそうだったんですね。「Teenager」でCHAIに歌ってほしいと思ったのはなぜ?

オロノ:グループボーカルが必要で、グループボーカルが上手いから。エネルギーがあるし。

ー国内のメディアでCHAIを「グループボーカル」と表現・評価する場面をあまり見たことない気がします。

マナ:うん、言われん。

オロノ:そう? 

カナ:「グループボーカル」とは言われたことないかも。

オロノ:へえ。


Photo by Kana Tarumi

ーでも的確な視点ですよね。「Teenager」でもCHAIの声が入ることでティーンエイジャーのようなエネルギーが迸っているし、でもちょっとマチュアな雰囲気も感じ取れて、そのバランスが見事に曲に合っているなと。CHAIは完成したものを聴いてどう思いました? 

マナ:いや最高なんだよ。

カナ:参加できるのが超嬉しいからさ。だってSuperに入りたいと思っとったもん。入れてもらっていいですか?って言ったことあるから。

マナ:言った!

ユナ:しかもホテルの一室にメンバーが機材を持ち寄ってくれて、「じゃあ今これに歌って」みたいな、あのときの遊びが落とし込まれていることにハッとして。この曲を聴いたときに、あれがこうなるんだって二度感動した。

ユウキ:「Teenager」っていうタイトル、内容、曲の感じ、全部がかっこいいし全部からパンクを感じる。勢いで参加するっていう、曲の作り方まで想像にないもので、予想できるものから外れることがパンクなんだって思ったかな。完成したものを聴いて、そのパンクさに入れたことが嬉しいと思った。


Photo by Kana Tarumi

ー「It’s Raining」のCHAIのパートも、「Teenager」と同じような録り方ですか? 

マナ:あれは(UK&アイルランド)ツアーのときに、ツアーバスで録ったよね。

オロノ:そうだね。

マナ:ツアーバスで、「“Raining”って言って」って言われて、“Raining”って言った。

ー(笑)。オロノさんとしては、どういうひらめきでCHAIにあのパートを歌ってもらおうと?

オロノ:いたから。

CHAI:きゃははは(笑)。

オロノ:本当に、いたから。他のフィーチャリングもそうだけど。みんな友達で、たまたまミュージシャンでもあるから、「これ歌う?」って言って、「いいよ」って言ったら「じゃあどうぞ」って。「こいつがこの曲に出たらこうよくて」とか「この曲のテーマと合うから」とか、そういうのは全然考えない。「星野源が出たら日本で売れるから」とか、そういう計算も全然ない。



星野源、スティーヴン・マルクマス、ピ・ジャ・マが参加した「Into The Sun」MV

ーライターやメディアの人間としては、国籍や年代やジャンルの異なるカルチャーを掛け合わせることで生まれているSuperの面白さや幸福感、エネルギーを言葉や理屈で語りたくなるけれど......。

オロノ:全然考えてない。

ー最高です(笑)。

 
 
 
 

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