世界最大のバイカーギャング集団、その創設者が遺したメッセージ

「俺は自分が生きたい世界に生きる」

ほどなく司法の手がヘルズ・エンジェルスに伸び始めた。とりわけバーガー氏は、麻薬取引から誘拐、殺人未遂と、さまざまな罪で起訴された。おおむね刑務所行きは免れていたが、ついに1973年、麻薬犯罪で有罪を言い渡されて5年近く服役した。

出所したバーガー氏はヘルズ・エンジェルスのトップに舞い戻ったが、その後も法的なトラブルは続いた。1987年には13人のメンバーとともに、麻薬、武器、共謀、爆発物所持の罪で逮捕され、さらに4年間服役した後、1992年に出所した。

ここ数十年はヘルズ・エンジェルスとの関わりを続けつつ、相変わらず法的トラブルで世間を賑わせていたが、作家としても話題を集めた。大作『Hell’s Angel: The Life and Times of Sonny Barger and the Hell’s Angels Motorcycle Club(原題)』をはじめ、バイクをテーマにした本を少なくとも6冊出版し、アウトローなバイク軍団の偉業をもとにしたTVシリーズ『サンズ・オブ・アナーキー』にも度々出演した。


「前にも言ったが、あらためて言わせてもらおう」 ヘルズ・エンジェルスの裁判沙汰にメスを入れたローリングストーン誌の1972年の記事によれば、バーガー氏は記者に対してこう語っていた。「俺は自分が生きたい世界に生きる。世の中の連中は誇れるようなことを何もしやしない。とっ散らかした状態にするばかりだ」

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from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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