セーラームーン公認のガールズグループ、SG5の正体

SG5(Willem Stapel & Bryan Huynh)

BLACKPINKやTWICEなど、世界最大級のガールズグループといえばK-POPを思い浮かべる人も多いはず。だが、米現地時間7月3日にデビューした日本の5人組ユニット「SG5(エスジーファイブ)」が目指すのは、世界ではなく、銀河系の頂点だ。

【動画を見る】米Anime Expoで「セーラームーン」主題歌を披露

5人のメンバーは、それぞれが人気アニメ『美少女戦士セーラームーン』のキャラクターを音楽的にイメージしている。人気アニメの世界から飛び出してきた「5人のセーラー戦士(Sailor Guardians 5)」たちは、自らを「悪や不正、ネガティビティから宇宙を守る、銀河系スーパーJ-POPグループ」と呼んでいる。彼女たちに与えられたスーパーパワーとは何か? 当然ながら、その答えは音楽だ。

EXILEなどが所属する日本のマネージメント「LDH JAPAN」とカルヴィン・ハリスやウィローを擁する世界的マネジメント会社「Three Six Zero」がタッグを組んで誕生したSG5は、コンセプト写真やメンバー紹介とともに7月に正式なデビューを果たす。7月1日から4日にかけて米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催される北米最大級のアニメイベント、Anime Expo 2022への出演がプロジェクトユニットとしての初パフォーマンスとなる。

SG5のプロジェクトが本格的に動きはじめたのは、いまから2年前のことだ。最終的なメンバーとデビューコンセプトは、今年の初めに固まった。セーラームーンという商標を使用するにあたり、メンバーは原作者である武内直子の前でパフォーマンスとプレゼンテーションを披露した。武内は即座にゴーサインを出し、「セーラームーン公認ガールズプロジェクトユニット」としてのコラボレーションが実現した。

SG5はプロジェクトユニットとしては新しいが、それぞれのメンバーはJ-POP業界で活躍しているアーティストだ。SAYAKA、RURI、MIYUU、KAEDEの4人は2011年にデビューしたHappinessのメンバーで、RUIは2021年にデビューし、先日デビューアルバムをリリースしたばかりの3人組グループ・iScreamのメンバーだ。

SG5のねらいは、「日本の音楽を海外に輸出する」ためのサポートをすること。それを実現するため、彼女たちのパフォーマンスには、カラフルで独創的なアニメの精神が取り入れられている。

SG5の音楽はどのようなものになるだろう? 『美少女戦士セーラームーン』は90年代に人気を博したアニメだが、SG5の音楽は必ずしもレトロなものではないとメンバーは語る。その裏付けとして、グループはレディー・ガガやジャスティン・ビーバーを手がけるBloodPopを近日リリースされるデビューアルバムのエグゼクティブプロデューサー兼共同クリエイティブディレクターに迎えた。デビューアルバムは、近未来的なポップスとアップテンポなダンストラックをミックスしたものになることが予想される。さらにメンバーは、日本語と英語を交えて歌うことになっている(グループの広報担当者は、「英語を完璧に習得するため、現在メンバーは語学スキルを磨いています」と述べ、「ネイティブレベルの英語で彼女たちがパフォーマンスをしたりファンと交流したりする姿を想像するとワクワクします」と言葉を寄せた)。

『美少女戦士セーラームーン』は、世界屈指の人気を誇るアニメだと言っても過言ではない。武内直子の漫画を原作とする、主人公の月野うさぎと黒猫のルナ、仲間のセーラー戦士たちが繰り広げる銀河系の冒険を描いたアニメは、放送と同時に日本をはじめ世界中で瞬く間にヒットした。アニメは、いくつもの言語に吹き替えられている。オリジナルの『美少女戦士セーラームーン』シリーズは1992年に放送を開始し、5シーズン続いた。アニメ以外にも数多くの関連作品や映画がリリースされ、日本では『美少女戦士セーラームーン(英題:Pretty Guardian Sailor Moon)』というミュージカルも上演された。このミュージカルは、SG5のインスピレーション源でもある。

ローリングストーン誌による初のグローバルインタビューのなかで、SG5のメンバーは結成の経緯や日本の音楽業界におけるプロジェクトユニットの独自性、大々的なデビューの詳細などを語ってくれた。

Translated by Shoko Natori

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