謎ソースを製品化した米インフルエンサーにクレーム騒動「腐った臭いがする」

©chef.pii/TikTok

アメリカのTikTokでここ数日間のトレンドを独占したのが、TikTokerの「chef.pii」が考案した「ピンクソース」だ。

【動画を見る】ポテトにソースをぶっかける

胃腸薬のような鮮やかな色をした混合物は、ドラゴンフルーツと生はちみつ、ヒマラヤ産ピンク岩塩などを原料にしているらしい。ソースの投稿で一躍人気者になった「chef.pii」は早速製品化。大勢のユーザーがソースの味ではなく、斬新さに夢中になった。だがここ最近、ソースの原材料やパッケージ、マーケティングについての山のような疑問が殺到している。

ここ1カ月間、「chef.pii」はピンクソースの宣伝にいそしみ、様々な食材にソースをかけては1瓶20ドルで販売していた。注目を集めた理由は明らかだ。目にも鮮やかな色合いとミレニアム世代が食いつきそうなパッケージは(ロゴがVictoria’s Secretのピンクレーベルに瓜二つだと指摘する声も少なくない)、気まぐれなアルゴリズムの関心を引くのにうってつけのトレンドだ。

だがこの数週間、商品の宣伝方法に関する疑問が後を絶たない。とりわけ「chef.pii」が(ローリングストーン誌はコメント取材を依頼したが、すぐに返答は得られなかった)実際のソースの味についてお茶を濁している点についてだ(本人が投稿した動画では「甘めのランチソース」と表現しているが、「スパイシー」とも表現されている。別の動画では、「独特な味だから、試してみたい人は買ってね」と言っている)。しかも購入した客が投稿した動画を見ると、ソースの色合いや濃度にばらつきがあるようだ。もっとも、アングルや照明のせいとも言えなくもない。

だが「seansvv」というクリエイターがピンクソースの表示ラベルの細部に疑問を投じると、こうした批判は最高潮に達した。カロリーの計算が合わないこと(1回の分量は約大さじ1杯60カロリーで、1瓶444回分と書いてある)、ラベルに「vinegar」などの単語のスペルミスが散見されること、栄養に関する詳細がWEBサイトですぐに見つからないことを指摘。飲食業者なら表示するのが常識で、食品医薬品局(FDA)の食品表示基準を満たしていない可能性もある。

実際のところ、「chef.pii」は当初ラベルに原材料を一切表示していなかった。6月に投稿した動画の中でも、「できるだけ苦情が出ないよう、最高品質の商品を皆さんにお届けするために、チームで品質検査をしている」と語っていたが、原材料については具体的に言及していない。

これをきっかけに、ピンクソースにまつわる疑惑が増え続けた。自分用にピンクソースを購入したクリエイターは、商品の包装が不適切だっただけでなく、商品到着時に「腐敗臭」がし、宣伝文句通りの内容量とはいえなかったと主張した。他にも、「chef.pii」が原材料に牛乳を挙げていたにもかかわらず、ラベルには要冷蔵の指示はなく、大半のドレッシングにありがちな腐敗防止の保存料も表示されていなかった、と指摘する声もあった。

@jptheworst theres something odd about #pinksauce  #thepinksauce ♬ original sound - The Sauce Boss


@r8ch3ll #pinksaucereview @PINK SAUCE QUEEN  ♬ original sound - Kaylen



Translated by Akiko Kato

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