八神純子、11分17秒の楽曲からエロティックな曲まで最新アルバムを紐解く

TERRA ~ here we will stay / 八神純子

田家:出来上がったときはどう思われたんですか?

八神:これで出来上がりでいいのかなと思ったんです。書いているときに2番の歌詞で〈木々が倒れ 草は燃えて 命追われ 川は枯れる〉というパートがあるんですけど、オーストラリアで山火事があったでしょ。コアラが湖畔で手足が焼けただれて座っている姿を見たときに、このシーンを入れたいなと思ったんですね。これからの地球を歌っていこうと思ったら、本当に終わっちゃっていいのかな? と思ったのがこれをレコーディングし終えたときの気持ちです。

田家:この続きがまだある。こういう組曲的な書き方は今までしてこなかったですよね?

八神:『Mr.メトロポリス』、『FULL MOON』で、らしきことはしましたけど、ここまでいってみようというのはなくて。作り終わったときにレコーディングエンジニアから「この曲の新しいところだけを使って、ボーナストラックをもう1曲つくってよ。そしたら絶対アルバムとして決まるよ」って言われて、その晩に作ったのが最後に入っている「Cafe au lait入れて」だったんです。

田家:アルバム最後の軽さが出口になっていますもんね。アルバムの中で純子さんが選ばれたもう1曲が、「TERRA ~ here we will stay」の後に入っている「終わりを決めるのは私 ~Eclipse~」なのですが、ちょっとエロティックなラブソングですよね。

八神:そうですね。私はこのアレンジを試したくて。途中でリズムが変わるパートを入れたくてしょうがなかったんです。それに合う歌詞はかなりスパイスがないとダメだなと思ったので、結構ギリギリのところをいっています。

田家:Eclipseは日食とか月食という意味でしょ?

八神:そうです。月と太陽が重なるということで、ちょっとエロティックに描いてみようと思ったんですね。

田家:地球の後に、太陽と月のラブソングがある。アルバムの5曲目「終わりを決めるのは私 ~Eclipse~」。

Rolling Stone Japan 編集部

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