イスラム教徒の連続殺害事件、逮捕された容疑者もイスラム教徒か 米

2022年8月7日、米ニューメキシコ州アルバカーキにて。ミシェル・ルーハン・グリシャム州知事が見守る中、イスラム教徒殺害事件に関連して指名手配車両の写真を載せたチラシを掲げるアルバカーキ警察刑事部のシシリー・バーカー副部長(Photo by Adolphe Pierre-Louis/Albuquerque Journal/AP)

米ニューメキシコ州アルバカーキ警察は、少なくとも2件のイスラム教徒殺害事件で第一容疑者のムハンマド・サイド(51歳)をFBIの協力で逮捕したと発表した。当局によれば、サイド容疑者が逮捕される直前、警察は犯行現場にあった容疑者の車両を特定。また容疑者の自宅から2件の事件で使用された銃を発見した。

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8月の第一週、アルバカーキの一部住民は外出さえも恐れていた。2週間足らずでイスラム教徒の男性3人が射殺されたのをうけ、連続殺人犯がこの界隈でイスラム教徒を狙っているのではないかと思われていた。警察は3件の殺人――昨年11月の事件も合わせて計4件――に関連性があるとみて、犯人または犯人グループがイスラム教徒を故意に狙ったと考えている。4件目の直前に発表された報道声明と情報提供要請には、いずれの事件でも犯人が「前触れもなく被害者を奇襲し、発砲して射殺した」と書かれていた。

直近の被害者は25歳のナイーム・フサインさんで、当時勤めていた難民支援団体の駐車場に停めていた車の中で射殺されているのが発見された。フサインさんは亡くなる数時間前、それぞれ7月26日と8月1日に自宅前で射殺された別の被害者、アフタブ・フセインさん(41歳)とムハンマド・アフザール・フサインさん(27歳)の葬儀に出席していた。3人ともパキスタンからの移民だった。これらの事件からさかのぼること昨年11月には、アフガニスタン出身のモハマド・アーマディさんが弟と運営する食料品店の前で殺されていた。サイド容疑者はフセインさんとムハンマド・アフザール・フサインさんの事件で起訴される見込み。アルバカーキ警察のハロルド・メディナ署長いわく、警察は容疑者が残る2件にも関与していた可能性があるとして捜査を続けているという。

一連の事件は全米で注目を浴び、ジョー・バイデン大統領も「このような憎悪に満ちた襲撃はアメリカには無用だ」とツイートした。また事件は、安心して移住できると当局が太鼓判を押し、昨年のアメリカ軍撤退から大勢のアフガニスタン移民を受け入れてきたコミュニティを震撼させた。

Translated by Akiko Kato

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