吉田拓郎、70年代に自ら幕を引き新しいことに挑み続けた40代の軌跡

吉田拓郎

日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出していく。2022年8月の特集は「吉田拓郎」。今年でアーティスト活動に終止符を打つと表明した吉田拓郎の軌跡をたどる5週間。パート4では、拓郎が40代から50代にかけて制作した楽曲とともに辿っていく。

こんばんは。 FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」案内人・田家秀樹です。今流れているのは、吉田拓郎さんの「アウトロ」。6月に発売になったアルバム『ah-面白かった』の中の曲です。今月の前テーマはこの曲です。音楽にはイントロとアウトロというのがあります。始まりと終わりですね。「アウトロ」というのは締めくくりです。拓郎さんの音楽人生の締めくくり。今月2022年8月の特集は吉田拓郎。

関連記事:松本隆がアイドル界・歌謡曲界に変革をもたらした70年代後半から80年代を辿る

今週はパート4週目。40代から50代にかけて拓郎さんが残した曲を、お聴きいただこうと思います。40歳が今とは全く違う意味を持った年齢でしたね。30歳以上は信じるなという、とんでもないことを言ってた70年代の若者にとって、30歳も大きな壁だったんですが、そのはるか先に40歳があった。若者文化の旗手として新しい時代を作ってきたパイオニアにとって、40歳がどういう年齢だったのか。つまり、そういう前例がなかったわけですね。僕ら70年代の音楽好きな人、誰もが憧れて夢見たヒーローだったジョン・レノンが40歳で死んでしまいました。40歳を超えてからのお手本がいなかった。拓郎さんが30代後半にしきりに口にしたことがありました。ジョン・レノンが死んだ40歳までは歌う。今日の1曲目は 拓郎さん39歳のときのアルバム『俺が愛した馬鹿』から「誕生日」です。



誕生日を「祝ってなんかくれるなよ」と歌っておりますね。「人生は一本の道だった筈 僕はその道にも迷ったらしい」。率直な心境だったんでしょうね。今週の1曲目が、この「誕生日」だったことをしっかりと覚えておいていただけると嬉しいです。来週の1曲目が何かということも予想しながら今週を終えると、来週がきっともっと面白くなると思います。

Rolling Stone Japan 編集部

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE