TERIYAKI BOYZⓇが語る、復活ライブの舞台裏、世界の「TERIYAKI」ブランド

新曲制作、ファレルとのやり取り

ー最新曲の「Morë Tonight」(「モレトゥナイト」NIGO®のアルバム『I know NIGO!』収録)について話してもらえますか?

ILMARI:レコーディングする一年ぐらい前からそういう話あったんです。NIGO®さんから、またTERIYAKIで曲やりませんか?みたいな連絡が来てて。で、そこから、春になっても、夏になっても音沙汰なしだったから、なくなったのかな、ないかもしれないって。こっちからなんかNIGO®さんどうやるんですか?みたいに聞くのもあれだから、まあいいかと思ってたら、急にトラックが送られてきた(笑)。



VERBAL:朝6時に突然ファレル(・ウィリアムズ)から電話かかってきて。例の曲だけど、これからマイクってエンジニアがセッションファイル送るからよろしく、と。え、まだ生きてんだこの話って(笑)。僕も「どういうこと?」っていうのもなんなんで。「あ、うん、わかった、みんなとちょっと話してみる」と。ちなみに、どんな感じにしようと思ってるの?聞いたら、ガイドあるからそれに日本語のリリックつけてほしい、それで交互にやりとりして……という話をした。で、その電話切った2分後ぐらいにマイクからセッションデータがiMessageで届いてるみたいな(笑) 。

ILMARI:それもまた締め切りが……みたいな感じで(笑)

VERBAL:「TOKYO DRIFT」の時の「3日」ってのに近くて。本当になんかね……。

RYO-Z:フラッシュバック。「TOKYO DRIFT」と一緒(笑)  

VERBAL:そこからNIGO®さんに投げるじゃないですか。「じゃあそれでスティーブン・ビクターと話しといて」って。で、ビクターと話したら、もう納期が迫っていると。そこから皆さんお忙しいところ集まって。この歳で2日間連続徹夜でスタジオ(笑)。ちょっと新鮮でした。

RYO-Z:一番最初にまあ、とにかくそのトラックが届いて、緊急に対応していかないとだし、まあやるやらないも含めてのリモートミーティング。4人でみんな多分自宅だったと思うんですけど。その4人のおじさんの絵面がね。「盛れてねえ」って(笑)。

ーあー! それで「盛れてない」→「Morë Tonight」

ILMARI:はい。だって家でさ、みんな寝起きみたいな感じとかね。確かに盛れてなかった(笑) 。

ー最高です。

ILMARI:10年以上経ってるから、年齢もきてるし、なんか生活のなんかリズムもみんなと違うじゃないですか。夜、徹夜まじきつかった(笑)。まあ、RYO-Zくんはすぐ帰っちゃったけども(笑)。飲みに行っちゃうけど。それはRYO-Zくんだな。とわかってるから(笑) 。

RYO-Z:俺の仕事、今日もう終わりだな、と思ったからさ(笑) 。

ーさすがです(笑) 。

WISE:ちなみに、もう一個付け足すと、朝7時締め切りって言われてて、3〜4時ぐらいに徐々にRecが終わっていくんですけど、俺ずっとできなくて……。なんとかもうあと何時間か待ってくださいみたいな感じで、朝たぶん9時ぐらいにVERBALのとこで、レコーディングを終わらせて。聴いて、超いいじゃん。TERIYAKIっぽいなって送ったらファレルから全ダメ出しで。あの乗せたメロディ通りにはめてくれつって。また振り出しに戻る。

RYO-Z:ラップのフロウみたいなのが乗っかってたから、ここにラップしろという意味かと思ったら、その通りラップしろ、だった。やり直しじゃんみたいな。

VERBAL:ファレルにしても珍しくて、以前そんな細かい指示そこまでなかった。ある程度やって骨子があればいいよって感じだったんだけど、俺メロディなぞるように言っただろうって言われて。「え!」って(笑) 。

RYO-Z:そんな細かいの??って。うそー、ここにラップしておけってだけじゃないんだ。また、このテイクが結構よくできてたんだよね。これがね。

WISE:TERIYAKIっぽくてよかったなと思ったんだけどね。

RYO-Z:俺ももうその時点で。あーできたできたと思って。 そう。NIGO®さんも最初のバージョンを聞いてめちゃくちゃいいですねみたいな感じで返ってきてたから。終わった〜って感じになってたよね。

VERBAL:ファレルは我々のラップに対して、ビジョンがあったんだよね。 NIGO®さんは日本語が分かるから面白いじゃんって思ったんですけど、ファレルはたぶん音感で、もっとこの、こういうグルーヴとかメロディアスな感じにっていう、そっちだろうね、そうそう。

WISE:うん、そうだよね、うん。

ILAMRI:でもやっぱこっちに来て、さっきの「TOKYO DRIFT」がこっちで流行ってるっていう話じゃないけど。アメリカいるとああいうトラックが受け入れられるんだなと。ずっと単調な感じがしちゃうんだけど。 「超LARGE」とかすごい重たい曲じゃないですか。ああいうのもなんかこっちだと、まあオッケーっていうさあ、なんかライブやっててもそんなんだから。ファレルの感覚的にはもうずっとああいう単調な感じだけど、そのグルーヴで行けっていうのは理解できる。こっち来るととくに。

ーああ、なるほど。

ILMARI:今回「Morë Tonight」のイントロの「Oh Baby あんたなの」っていうのをファレルにやってほしいって思ってたけど、それは時間的に叶わなかったんだよね。いままでの「 Zock On! Feat. Pharrell And Busta Rhymes 」「WORK THAT feat. PHARREL & CHRIS BROWN」とかでもファレルがサビを歌ってくれてたから。”ゾッコン”って言葉、すごく日本でも死語だったじゃないですか。あとファレルに「ギガントギガント」とか言ってもらって。あの当時はね、しょこたんが言ってた。あれをファレルが言ってるっていう遊びで。でも、あのカニエにも「I still love H.E.R ホントEラップ」って言ってもらったり……、普通に考えて一般に「ホントEラップ」とか言ってたらめちゃくちゃダサい。(笑)

VERBAL:音楽好きはCommonのあの「I used to love H.E.R」の「HER」= Hip-Hop in its Essence is Real の略から来てるのわかるから、うちらは「ホントEラップ」にして、なんかちょっとふざけてるけど、Commonへのオマージュってことで、深いと言えば深い、な感じじゃないですか。

RYO-Z:まあ、ヒップホップ好きな人にとって、ああ、なるほどねのところがあるかもしれない。とはいえ「ホントEラップ」にはしねえだろうって(笑) 。

ILMARI:そういうバランス、さっきのライブの話と一緒で。なんか俺等すげえかっこいいだろうみたいなのを最初から最後までやるのはちょっとなんか……なので、キャラクターをサビとかにも入れてるのは、今回の「Morë Tonight」も同じ手法だね。

RYO-Z:うん。モテてモテてしょうがねえみたいな感じじゃないもんね。いきなりデビューから「HeartBreaker」。いきなり振られてるし(笑)

ILMARI:こういうの日本人ぽさなんなんだろうね、なんかアジア人的な。

RYO-Z:奥ゆかしさ。


Photo by NAGARE

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