ピンク・スウェッツが語る、SEVENTEENとの交流、ピンク色を使う理由

ピンク・スウェッツ(Photo by David Karp)

米フィラデルフィア出身のR&Bシンガー、ピンク・スウェッツ(Pink sweat$)が来日した。テディベアを思わせる巨体をピンク色のファッションに身を包んだビジュアルと、バラードからダンスチューンまで自ら手掛ける美麗なメロディに乗せた甘い歌声は、TikTok、YouTubeなどを通して世界中から大きな反響を得ている。またアーティストとのコラボも話題を集め、なかでも、「17」はBTSのV(キム・テヒョン)がカバーしたり、SEVENTEENのジョシュアとDK(ドギョム)をフィーチャーしたバージョンがリリースされており、ピンク・スウェッツの名を一躍世界中に知らしめた。

そんなピンク・スウェッツが10月2日、恵比寿ザ・ガーデンホールにて待望の初来日公演を開催。ライブ直前の楽屋を訪ねて初インタビューを行うと共に、満員のオーディエンスで大いに盛り上がったショーの模様もお届けする。

【ライブ写真を見る】ピンク・スウェッツ来日公演

―初来日ということですが、日本の印象はいかがですか?

初めて来たんだけど、素晴らしいね! カルチャーもすごくユニークで、日本に来られてとても幸せだよ。

―ピンク・スウェッツというアーティストのコンセプトをビジュアルを含めて教えてください。

ほとんどすべての人が、自分のネガティブな部分を隠しがちだと思うんだ。目立ちたい、人に認められたいという面がある一方で、「いや、でも自分はそこまでじゃない」と思ってしまう面があると思う。カラーというのは、その人の個性を引き出してあげるものだと思うから、ピンクのカラーで「僕はいつでもここにいるよ」って、みんなを応援するメッセージを込めて活動しているのが、ピンク・スウェッツのコンセプトだね。

―今胸に下げている小さなクマのアクセサリーがかわいいですね。ピンク・スウェッツの象徴として身に付けているんですか?

そうだね。曲をリリースして、ヒットさせる目標を達成できたときの象徴として身に付けているんだ。

―あなたの曲はすごくメロウで聴いていて心が落ち着く曲もあれば、踊りたくなる曲もありますけど、どの曲もとても優しく感じられます。メロディや歌詞を書く上でいつもテーマとして考えていることがあれば教えてください。

いつも、リアリティにフォーカスを当てて曲を書いているんだけど、現実というのは、いつも自分が思い描いているものじゃないよね。だけど、どんな状況でも自分の中に平和を持つことは可能だと思う。そういうことを自分の中に見出す助けになればいいかなと思って、曲を作っているよ。

―2020年にリリースした「17」は、BTSのV(キム・テヒョン)さんがカバーしたり、SEVENTEENのジョシュアさんとDK(ドギョム)さんをフィーチャーしたバージョンがリリースされていますね。彼ら韓国のミュージシャンとの交流についてどんな思いを持っていますか?

これまでは、あまりフェイス・トゥ・フェイスじゃないネット上での関係で制作するというのはやったことがなかったけど、彼らとの交流を通して、海外でも認めてもらったり、言語が違うのにコラボレーションしてくれてとても新しい経験で光栄だったよ。



―彼らと直接お会いになったことは?

以前、ショーの後にホテルに戻ったときに、ジョシュアを含めたSEVENTEENのメンバー数人と会って話すことができたんだ。ジョシュアは英語を話せるから、主に彼とコミュニケーションを取ったんだけど、SEVENTEENのみんなと会えたことはすごく嬉しかったね。ホテルのラウンジがとってもうるさくなっちゃったけど(笑)、楽しかったよ。

―日本のシンガーeillさんとも「17」でコラボしています。

そうだね。それと、じつは2011年にある日本のアーティストのために楽曲を制作しているんだ。それが、僕がミュージシャンとしてのキャリアの中で、初めてお金をもらった仕事なんだよ(笑)。



―ええ~!? そうなんですか? いろんな国のアーティストとコラボしているあなたの姿勢は非常に素晴らしいと思います。これからも世界中のアーティストと共演していきたいですか?

もちろん! これからもどんどん世界的な仕事をしていきたいし、“インターナショナル・ベア”として本も書こうかなって思うよ(笑)。

―本当ですか?(笑) 楽しみにしています。今日この後、日本での初ライブが行われますが、どんなところを観て欲しいですか?

この会場の外でもたくさんのファンに会って、すごく楽しみで興奮しているよ。コール&レスポンスがあんまりできないかもしれないからちょっと不安だけど、がんばろうと思う。

―では、日本のファンにメッセージをお願いします。

I LOVE YOU! 大好きです。インターナショナル・ベアがみんなを楽しませるよ! アリガトウ!


ピンク・スウェッツ(Photo by David Karp)

●ライブレポート

ピンク・スウェッツのライブ「Pink Sweat$ Presents Pink Moon」の会場となった恵比寿ザ・ガーデンホールには、開場時間になると入口から大行列ができていて、とくに20代〜30代ぐらいの女性の姿が目立っていた。ドレスコードが設けられていたわけではないが、多くの人がヴィヴィッドなピンク色をあしらったファッションに身を包んでおり、初来日公演への期待感が伝わってくる。

会場に入ると、ステージには巨大なピンクベアがフロアにスマイルを振りまきながら鎮座していて、みんな一様に驚きの声を上げてスマホを向けていた。ライブが始まる頃には、オールスタンディングのフロアは後方までギッシリ埋まる盛況ぶり。

煌びやかなライトがステージを照らす中でピンクのジャケットに身を包んだピンク・スウェッツが登場すると、黄色ならぬピンクの嬌声が上がって最初からものすごい盛り上がりとなった。オープニング曲はアッパーなダンスチューン「Icy」。リズミカルなバンドサウンドに乗ってステージの左右に移動しながら歌い、「Clap Your Hands!!」と大きなアクションを見せながら煽るとフロア中から手を叩く大きな音が響いた。



中盤、「17」のタイトルが告げられるとさらに盛り上がって、ピンク・ベアをバックにしてマイクスタンドに向かい身振り手振りを交えて熱唱するピンク・スウェッツ。ときおり聴かせるファルセットなど、歌唱力の高さは想像以上のものがあった。サビでバンドがトーンを落とすと、シンガロングを求めるピンク・スウェッツに応えるオーディエンス。

終盤では、「Spiritual」や「I Feel Good」で「Come on! Tokyo!」と煽ってコール&レスポンスしたり、ドラムセットに座り凄まじいドラム・ソロを叩いて驚かせるなど、マルチミュージシャンぶりとサービス精神旺盛なステージングで楽しませてくれた。ラストはバンドのメンバーをセンターに集めてボイスパーカッションを交えながらアカペラを披露して会場一体となり、「I LOVE YOU, Tokyo! アリガトー!」と感謝を伝えて、まるで海外の会場にいるような大盛り上がりとなったライブを締めくくった。

ピンク・スウェッツ プレイリスト
https://pinksweats.lnk.to/TIPtw






ピンク・スウェッツ(Photo by David Karp)

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