ZOMBIE-CHANGのメイリンが語る、BPM速めのビートに惹かれる理由

ZOMBIE-CHANG(Photo by Naoki Usuda)

メイリンのソロプロジェクト、ZOMBIE-CHANG(ゾンビーチャング)。2016年のデビュー以降、ジャンルに捉われないオリジナリティ溢れる音楽性の背景には、クラブミュージックへの傾倒があった。5thアルバム『STRESS de STRESS』ではさらにその表現を研ぎ澄ませ、変幻自在なサウンドを完成させた。

※この記事は2022年6月発売「Rolling Stone Japan vol.19」に掲載されたものです。

ガバキックが好き

ーダンスミュージックにハマったきっかけは?

メイリン 理由はわからないんですけど、一時期、クラブによく遊びに行っていたときがあって。バンドのライブの雰囲気とは違って、全然知らない音楽でも勝手に音を感じて皆がフロアで踊ってる。その曲を知ってる、知らないにかかわらず、みんなで踊れるっていうのが大前提で、恥ずかしいから踊らないみたいな人はほとんどいないんですよね。そのフロアだけは自由な空間で、人種も問わず踊れるというか、言葉がなくてもコミュニケーションを取れる。そこに魅了されました。もともと自分でパソコンのAbletonとかでエレクトロニックミュージックを作っていて、それを深掘りしていったらクラブミュージックにたどり着きました。あとはYouTubeで、例えばBoiler Roomを見てると、自分の好きな音楽がどんどん関連で出てくるんじゃないですか。そういうところから広がっていったりして。去年の緊急事態宣言中は、家でトランスやゴアトランスを爆音でかけてたんです。ゴアトランスに一瞬すごいハマって、BPMが150から180の曲から、どんどんハードコアになって、200のガバにもハマりましたね。



ーBPMが速い曲を求めてたのはなんでなんですかね?

メイリン たぶんなんですけど、私、心拍数が高めなんです。130以下だと、眠くなっちゃうんですよ。なので、140くらいからの方が楽しく踊れたりする。それが何を求めてたかは分からないですけど、眠くなるのはあまり好きじゃなかったんですかね(笑)。もう130以下のものは許せないみたいな気持ちで。今回のアルバムは音で発狂してます。

ーそこにはどういう衝動があるんでしょう? 怒りとか?

メイリン 怒りとか、ストレスというか。私の根本的な性格で、これは嫌だなって思うことをあんまり言えなくて。まあ、最終的に言ってしまうんですけども。そういうことを人に遠回しに伝えたいっていう心の葛藤みたいなものが、常に作品を作る上でのテーマとして一貫してある。今まで作った作品も、美しいことを歌いたいとか、人への愛を歌いたいとかはほとんどなくて。動物への愛はありますけど、人への愛を歌いたいって気持ちは根本的になく、どう文句を言おうかみたいな(笑)。いかにして相手に不快な思いをさせないように、文句を伝えるかみたいなものがあります。

ー好きなDJとかいるんですか?

メイリン ガバにハマったときは、「Casual Gabberz」っていうフランスのレーベルかな。Bandcampにもあるんですけど。それはハマりました。あとはBoris Brejchaとか。

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