吉田豪が翔とTAKUと語る、故・嵐ヨシユキの思い出と「横浜銀蝿」の軌跡

T.C.R.横浜銀蝿R.S.(左からTAKU、翔)

2022年7月に永眠した横浜銀蝿のリーダー、嵐ヨシユキ氏の追悼アルバム『All for RAN』。嵐の実弟でボーカル&ギターの翔が作詞作曲し、嵐の人柄や想いが詰まった表題曲をはじめ、亡きリーダーに捧げる特別な作品になった。今回、プロインタビュアーの吉田豪が翔とTAKU(Ba)とともに語り合った。

【写真を見る】横浜銀蝿(2019年撮影)

―ついこの前までJohnnyさんと嵐さんも含めた4人組だったことを思うと、いまアー写がふたりだけになっているのは寂しいですね。

TAKU ね、ホントだよね。いま話してたんだけど、これ4人いるとユニフォーム的だけど、2人だとペアルックだよねって(笑)。

―ダハハハハ! 前回ボクがRolling Stone Japanでやったインタビューが3年前、横浜銀蝿がオリジナルメンバーで横浜銀蝿40thとして復活したタイミングだったんですけど、この3年でいろんなことが大きく変わりましたよね。それこそボクと翔さんの関係性も含めて。気がついたらふたりで番組(tvk『翔くん豪ちゃん翔和へGO!』(22年7月6日から火曜深夜24時にtvkで放送中の15分番組)をやるまでになって。

翔 ハハハハハハ! でも、いい距離感だよね。いろんな人がゲストで入る番組だけど、特に俺たちは打ち合わせ何もしてないからさ。で、打ち上げとかぜんぜんやってないもんね。

―ボクも毎回、収録が終わったらすぐ帰っちゃうし。

翔 そうそう、それがいいんじゃねえかな。

―その番組をJohnnyさんがプロデューサーとして作り、そしてそこにTAKUさんがゲストとして来るまでになり。Johnnyさんがカチンコを打ってましたもんね、「用意スタート」って(笑)。

翔 そうそう(笑)。

―そして嵐さんがいなくなった(22年7月4日、肺炎のため67歳で死去)というのが何より大きいとは思うんですよ。特に翔さんは嵐さんの実弟でもあるし関係性が深すぎるわけで。

翔 こないだ亡くなって100日が過ぎたのね。100日過ぎてもロスがあるんだよな、なんか……。

TAKU 今日さ、アルバムの話だなと思って来るとき曲を聴いてたらさ、やっぱりウルッとなっちゃうんだよ。声を聴くとヤバいよね。

―最後の2曲が嵐さん唯一のソロアルバム『生涯現役!』(2016年)の再録ですからね。

TAKU そうなんだよ。

翔 最初の頃はツアーに向けてのリハーサルをやるのも、いつもいるのがひとり足りないな、そりゃそうだ嵐さんいないんだなと思って。2020年に横浜銀蝿40thになってJohnnyが戻ってきて1年間コロナであまり動けないあいだも練習は続けていて、動けなかった分、2021年に40thをもう1年延期して、その2年間ってすごく楽しかったんだよね。嵐さんも具合が悪いときもありながらもホントに頑張ってくれて。で、2021年の大晦日の配信も最後までやり切って、そこでギターがJohnnyからJackに替わって、4月15日が嵐さんの誕生日なんだけど、その2日後の日曜日に横浜ランドマークホールで嵐さんのバースデーライブをやって。そこからまた続くんだろうなと思ってて。

―当たり前のように。

翔 うん、当たり前のように思っていたのが体調が悪くなって。6月の頭に最後の手術があったんだけど。40thの4人でやってたのがすごく楽しかったんだろうね、「やっぱりまたJohnnyとやりたいよね」とか最後に言ってたし。とりあえずRETURNS名義をやめて、THE CRAZY RIDER 横浜銀蝿 ROLLING SPECIALって元の名前で一からやり直そうって言ってた矢先だったから。なんかホントに「えぇ!?」って感じで、まだ67歳だし、まだまだぜんぜんできると思っていたし。あの人は脳梗塞とかいろいろ具合が悪くなっても毎回復活してきた人だから、亡くなるという選択肢は俺のなかにはなかったから。なんかすごいショックだったよね。



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