極悪ポルノ男優、「重度の認知症」と診断される 米

2021年12月1日、ロサンゼルスの裁判所に出廷するロン・ジェレミー被告 / MICHAEL BUCKNER FOR ROLLING STONE

米・ポルノ俳優のロン・ジェレミー被告が女性21人に性的暴行を働いた罪に問われている裁判で、米・ロサンゼルスの判事は1月17日(火)、被告に訴訟能力がないとの裁定を下した。

この日ハリウッドの精神鑑定裁判所で行われた審理に、69歳のジェレミー被告(本名ロナルド・ジェレミー・ハイアット)の姿はなかった。ロバート・S・ハリソン判事は弁護側が雇った精神科医による2022年7月の診断と、検察側が雇った医師による2022年10月の報告書を精査した上で裁定を下した。

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「ハイアット氏には訴訟能力がないものとします」と、ハリソン判事は述べた。「いずれの診断書からも、ハイアット氏が不治の認知能力低下を患っていると示しています。おそらく回復は望めないでしょう」

ポール・トンプソン地方検事補によれば、2019年に行われた先の神経科評価では、ジェレミー被告が「抱える問題のいくつかは難聴が原因ではないかと思われる」との判断だった。検事補いわく、検察側は被告の症状改善に向けて治療の継続を主張するつもりだそうだ。判事は次の審理を来月に設定し、「次の段階」として再度評価を行って、今後ジェレミーを州の病院に入院させて治療を受けさせるか、あるいは他の環境に置くか進言すると述べた。

昨年には、別の裁判所で行われていた重罪強姦罪の担当判事が、ジェレミー被告が「支離滅裂で」大事な審理の前に自分の弁護士を見分けられなかったとして、公判手続きの停止を命じた。

被告弁護人のスチュアート・ゴールドファーブ氏は昨年3月17日の審理で、「収監されている監房で、依頼人の関心を惹こうとしましたが、だめでした」と法廷で語った。「私が何者か判断できず、私と廷吏が車いすに乗せて出廷させようとしても言うことを聞きませんでした。こうした状況で依頼人を無理に出廷させるべきではないと思います」

ジョージ・ロメリ判事によれば、廷吏もジェレミー被告が「支離滅裂で」「指示に従わなかった」との印象を受けていたそうだ。

その後ロサンゼルスタイムズ紙は検察側のメールを入手。医師がジェレミー被告に「重度の認知症」を診断していたことが判明した。

Akiko Kato

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