スクリレックス、ペギー・グー、ボーイズ・ノイズらが音楽愛で彩った「ULTRA JAPAN 2023」

ペギー・グー(©ULTRA JAPAN 2023)

2014年に初開催されて以来、都市型ダンスミュージックフェスをリードする存在であり続けてきたULTRA JAPANが、この2023年9月16日(土)、17日(日)の2日間、TOKYO ODAIBA ULTRA PARK(お台場ULTRA JAPAN特設会場)で開催された。パンデミック期の開催中止(2020年、2021年)を乗り越え2022年に再開、今回はMAIN STAGE、ULTRA PARK STAGEのみならず、ハウス・ミュージックやテクノの息遣いを伝えるRESISTANCEも4年ぶりに復活(2019年のRESISTANCEは単独イベントとして行われた)し、計3ステージ構成で大勢の来場者(今回は18歳以上が入場可)を熱狂させることになった。

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開催初日となる9月16日のMAIN STAGEには、DJスネイク、アクスウェル Λ イングロッソ、ハードウェル、そして初来日公演となったエンドレス・サマー(サム・フェルト+ジョナス・ブルー)といったビッグネームたちが登場。以下本稿では、9月17日の来日アーティストを中心にレポートを進めていきたい。無数のLEDパネルを組み合わせ、頭上中央にはULTRAの巨大ロゴを乗せたMAIN STAGEの豪快にして華やかな佇まいは、何度目の当たりにしても圧倒させられる。

東京拠点のDJ/プロデューサー・デュオであるBopCornが、宇多田ヒカル「First Love」〜ONE OK ROCK「Wherever You Are」〜スマッシュ・マウス「All Star」(元ボーカリストのスティーヴ・ハーウェルがつい先日他界した)というエモーショナルなトラック連打で締め括った後、MAIN STAGEには米コネチカット州出身のケニー・ビーツことケネス・ブルーム3世が登場。ヴィンス・ステイプルズや、英ロックバンドのアイドルズの作品プロデュースで名を上げ、昨年には初のソロAL『Louie』でも良質なヒップホップ・ビーツを披露していたのだが、フレディ・マーキュリーのコール&レスポンスで賑々しく幕を開けたDJはダブステップあり、ブレイクビーツあり、ダンスホールレゲエありといった、恐ろしくボーダーレスなミックスに。終盤にはヤー・ヤー・ヤーズ、ジュニア・シニア、ダフト・パンク、カニエ・ウェストといった、彼自身のリスニング遍歴を曝け出すようなトラック群で歌声を誘った。

脳髄から覚醒させるようなビキビキのジャーマン・エレクトロで、鋭角なバウンス感を生み出してゆくのはボーイズ・ノイズである。21世紀エレクトロの立役者の一人として今やベテランのような安心感さえ振りまいているが、今夏届けられたスクリレックスとの共作曲「Fine Day Anthem」も織り交ぜながら、その強靭なビートと刺激的なサウンドは衰えるところを知らない。ファイアーボールが吹き上がるステージを駆け抜け、最後にはカナダのシンガーソングライター、ファイストの美声が伝う「My Moon My Man」リミックスで深い余韻を残していった。




ボーイズ・ノイズ(©ULTRA JAPAN 2023)


ボーイズ・ノイズ(©ULTRA JAPAN 2023)

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