バステッドが語る、結成20周年を経て進化したマインド、全英1位が示す影響力

バステッド

2002年にデビュー、全英2位を記録した1stアルバムと2ndアルバム(2002年の『Busted』と2003年の『A Present for Everyone』)で一世を風靡したバステッド。2005年の解散以降、ソロ・プロジェクト、別のバンドやマクフライと合体したマクバステッドでの活動、再結成、活動休止などを経てきたが、2023年にバンド結成20周年を記念するツアーを行い、最初の2枚のアルバムを再録した『Greatest Hits 2.0』をリリースして、完全復活となった。『Greatest Hits 2.0』は初の全英1位を獲得し、様々なアーティストが参加した『Greatest Hits 2.0 (Guest Features Edition)』もリリース。この勢いのまま、7年振りとなるジャパン・ツアーで来日し、東京・名古屋・大阪を回る。ジェイムス・ボーン、マット・ウィリス、チャーリー・シンプソンの3人に話を聞いた。

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ー7年振りに来日しますが、日本では2004年の初来日の時から大人気ですよね。2003年にはチャートで1位になったし、TV番組の「笑っていいとも!」にも出ましたよね。

マット バステッドにとって日本は特別なところなんだ。最初にバンドとして行って食らったところだし、本物のファンベースが出来たところだ。日本に到着した時に、地球の裏側にも僕たちを愛してくれる人たちが存在することを知って、あれほど最高だと思えたことはなかったね。その気持ちは今もずっと続いてる。日本のファンは最高なんだよ。

チャーリー 日本はイギリス以外で最初に僕たちを認めてくれた国だ。2004年に初めて日本に行った時のことは今でも頭に焼き付いてるよ。日本人は素晴らしいし、ファンベースも最高だし、誰もがリスペクトを持っている。ライブをやる時も特別なものを感じるんだよね。2017年の来日は『Night Driver』のツアーだったけれど、今回は『Greatest Hits 2.0』のUKツアーの延長線上にある感じだ。ファンの大好きなヒット曲をたくさんやるから、かなり楽しいものになると思うよ。

マット みんなが聴きたいのは『Greatest Hits 2.0』のライブ版だよね。これはバステッドが20年を経て進化した姿を見せるものだ。イギリスで行ったツアーは、バンドの20周年をお祝いするものになったし、今の僕たちがどれだけ強力なのかを見せることができた。今回のセットリストはかなりヤバいものにしたいから、完璧なものを作ってる。これは僕たちのためのツアーというよりも、ファンみんなのためのツアーだ。ファンの求めてるものをわかってるから、それをやりたいだけなんだよね。



ーファンのみんなとお祝いするビッグ・パーティになりますね。

チャーリー まさにその通りだよ! パーティなんだ! それに僕たちは以前よりも良いライブ・バンドになった。プレイヤーとしても良くなったから、今の方が良いライブができるんだ。

ー『Greatest Hits 2.0』では、自分たちの昔の楽曲に改めて向き合うことになりましたが、ノスタルジーがありつつも非常にフレッシュなアルバムになりましたね。これまでの音楽の旅を経てきて、今回何を一番強く思いましたか?

ジェイムス 『Greatest Hits 2.0』で昔の曲を改めてレコーディングして、ライブでも改めてプレイした時に、曲のことがより明確にわかるようになったんだ。20年間慣れ親しんだ曲で、今僕たちに何ができるのか、それがよくわかるんだよ。レコーディングの時もどうすべきなのかわかったし、自分たちがどうつながるべきなのかもわかった。何をトライして、何をすれば上手くいくのかがわかるようになったんだ。

マット ほとんどの曲は僕たちが16歳から19歳の間に作った曲なんだ。レコーディングした時の僕たちはまだキッズだったんだよ。だから今の僕たちの方が完璧にできるわけなんだ。

チャーリー あと、今回のプロジェクトで最もワクワクしたことなんだけど、いろいろなアーティストに歌で参加してもらったんだ。バステッドのデビュー以来、数多くのバンドが登場してきたよね。オール・タイム・ロウ、シンプル・プラン、ジョナス・ブラザーズといったバンドは、バステッドから影響を受けてるんだ。

ーNeck Deep、You Me At Sixといった新世代のポップ・パンク・バンドが参加しているのも素晴らしかったです。

チャーリー Neck Deepのメンバーは、バステッドが最初に買ったレコードだって言ってたよ。あと、ダッシュボード・コンフェッショナルも参加してくれたんだよね。20年前の僕たちは、ツアーバスの中で彼らの1stアルバムをよく聴いてたんだ。あのアルバムは特別なもので、あの時代を象徴している。僕たちのプロデューサーがクリス・キャラバと知り合いで、クリスに曲を送ってみたところ、参加してくれることになったんだ。





ジェイムス あれは今回の制作で最高にクールな瞬間だったね。ダッシュボード・コンフェッショナルは最高にクールなバンドだし、クリスは最高にクールなシンガーだ。クリスは面識がなかったのに、曲を聴いた上で歌うって言ってくれたから、心地良くて、温かくて、ほっこりした気持ちになったんだよね。ジョナス・ブラザーズにしても、元々「Year 3000 2.0」で参加してほしかった。彼らの始まりから歴史を共有してるから、参加してくれたのは本当にうれしかったね。



ー1997年のハンソンのヒット曲「MMMBop」をカバーしているのもいいですね。

ジェイムス あの曲は90年代の最高の曲の一つだよ。ある時ハンソンがライブでサポートを務めてくれたんだけれど、サウンドチェックで僕たちの曲「Night Driver」をカバーして、ライブでもやってくれたんだ。それが本当に素晴らしくて、フリートウッド・マックみたいだったんだよね。僕たちがライブでやらない曲なのに、ハンソンがやると大ヒット曲のように聴こえるんだ。彼らにもアルバムに参加してもらって、一緒にライブをやってもらえたら最高だと思ったんだ。



ーそう言えば、「BUSTED VS McFLY」の2025年のツアーが発表されたばかりですね。キャッチコピーが「Every saga has an ending(すべての物語には結末がある)」ですが、何故、結末を迎えるのですか?

マット バステッドとマクフライには長い歴史があるからだ。ある意味、バステッドがあったからマクフライが生まれたようなものだ。僕たちは合体してマクバステッドというバンドもやってたけれど、バステッドが再結成したことで、別々のバンドとしてやっていこうってなったんだ。このツアーはそれの始まりを意味するんだ。

チャーリー 壮大な離婚記念パーティだよ! このツアーは今までとは違うライブにするつもりだから、楽しみなんだ。

ー昨年、「Good One」「One of These Days」と2曲新曲をリリースしましたが、これはバステッドの今後の方向性を示唆するものですか?

チャーリー 「Good One」は『Half Way There』(2019年)の時に作った曲なんだけど、未完成のままだったから完成させたんだ。『Greatest Hits 2.0』にはフレッシュな新曲も入れたかったからね。この曲はファンにも評判が良くて、ライブでも盛り上がるよ。「One of These Days」は『Greatest Hits 2.0』の制作中に作った曲で、これも新曲を入れたくて作ったものだ。この2曲が次のアルバムにつながるかどうかはわからない。今はまだエクスペリメントの段階だからね。





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