ここ数年のアメリカのヒップホップとR&Bを席巻したのが、アトランタシーンのクランクサウンド。それに対抗する新しいスタイルとして注目されるのがベイエリア、つまり、サンフランシスコ発のハイフィサウンドだ。歌詞もノリも“アホになる”ことを最大の喜びとするハイフィは、かつてない“おかしさ”に溢れている。この音楽を聴くと、セクシーであるよりは、バカになったほうがエラいと思ってしまう。だから、このコンピレーションアルバムで最高のものはどれも冗談がよく効いている。ビートはチープでエレクトロなものが多く、歌詞の内容もラップにありがちなドラッグ売人話が大半。でも、売人として儲けることよりもキメて楽しむことを謳歌している分だけ、普通の売人ラップよりは建設的で進歩的なのだ。

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