ローリングストーン誌が選ぶ「2017年再発盤」ベスト15

DAVID FRICKE | 2018/01/01 16:00

| ローリングストーン誌が選ぶ「2017年再発盤」ベスト15 |


8. ザ・ローリング・ストーンズ 『オン・エア』

ロンドンのクロウダディ・クラブで毎晩熱狂に包まれていたバンド最初期の音源がついに公開された。BBCラジオで放送された1963年〜65年の音源で、カヴァー曲も含め、観客入りのライヴで録音されたものも多い。“ラスト・タイム”の“サティスファクション”となるだろう。さらに嬉しいことに、チャック・ベリーの『ロール・オーヴァー・ベートーヴェン』、ボ・ディドリーの『コップス・アンド・ロバーズ』、バスター・ブラウンの『ファニー・メイ』など、デッカ時代のシングルやアルバムにも未収録だった貴重な音源も含まれる。音質の悪いトラックもいくつかある。1964年2月に録音されたビートルズ作の『彼氏になりたい』のライヴにはノイズが入っているが、ラジオ放送を録音したものかもしれない。BBCはよく、再利用できないようにマスターテープを消去していた。しかし、イギリスの反逆児的な白人ブルーズミュージシャン、ブライアン・ジョーンズの突き刺すような震えるスライドギターは聞き違えようがない。

9. ザ・ジャム 『1977』

イギリスのブルーズ・ブームの再来である。1977年2月からの10か月間にスポットライトを浴びせた5枚組ボックスセットで、1977年4月のデビューシングル『イン・ザ・シティ』がリリースされる前のデモや、DVDでは、アルバム『ザ・モダン・ワールド』のプロモーションのために出演した11月のテレビ番組でのパフォーマンスも観られる。当時20歳にも満たないシンガー・ソングライターでギタリストのポール・ウェラーは、ザ・フー的なリズム・アンド・ブルーズをベースに、アルバム『オール・モッド・コンズ』(1978年)や『セッティング・サンズ』(1979年)では独特の燃えるような声を聴かせた。本リイシューには、1977年9月にロンドンのクラブで行われたライヴの未発表音源に加え、最初の2枚のアルバムと、フーの『ソー・サッド・アバウト・アス』やアーサー・コンレイの『スウィート・ソウル・ミュージック』などのカヴァー曲も含まれる。ヴィンテージ・モッズだ。

10. セロニアス・モンク 『危険な関係 1960』

ほとんど忘れられた存在だったピアニスト、モンクによる、約90分間の貴重な未発表音源。生誕100年を記念した2枚組CDセットは、彼からのユニークな贈り物だ。1959年7月27日ニューヨークのスタジオで、一日限りのユニットによって録音された。メンバーには、相棒であるチャーリー・ラウズ(テナーサックス)や、フランスからのゲスト、バルネ・ウィラン(テナーサックス)が含まれる。恋の駆け引きを描いた18世紀の小説を、映画監督ロジェ・ヴァディムが現代風にアレンジした映画『危険な関係』のサウンドトラック向けに作られた作品で、モンクのグレイテスト・ヒッツと言える。『Rhythm-a-Ning』や『Crepescule with Nellie』の別バージョン、『Pannonica』のソロバージョンとバンドバージョンなども聴くことができる。実際の映画にはモンクのバージョンは使用されず、モンクの元ドラマー、アート・ブレイキーがサウンドトラックを担当した。本リイシューに使われたテープは、2014年に発掘された。アメリカの巨匠が生きた中のたった一日の出来事だが、何と素晴らしい一日だっただろう。

11. 『アット・ザ・ルイジアナ・ヘイライド・トゥナイト…』

アメリカの歴史はここから始まった。1948年〜1960年に放送されていたラジオ&テレビ番組『ルイジアナ・ヘイライド』は、ナッシュヴィルの『グランド・オール・オプリ』と似て、カントリーミュージックの初心者から大ファンまで誰でも楽しめる番組だった。ルイジアナ州シュリーブポート市記念会館から放送されていた同番組で、放送デヴューしたアーティストも多い。20枚組CDには、ハンク・ウィリアムズ、エルヴィス・プレスリー、ウェブ・ピアース、ジョニー・キャッシュ、キティ・ウェルズ、ジューン・カーター、ジョージ・ジョーンズらが名を連ねる。セットにはベア・ファミリー・レコーズによる、アンティークラジオほどの重さがあるハードカバーの解説書が付く。番組のハウスバンドも注目に値する。シュリーブポート出身で高校卒業後すぐに番組に参加した、後のナッシュヴィルのピアノスター、フロイド・クレイマーや、14歳で番組のギタリストとして活躍し、後にリッキー・ネルソンのバンドに参加するジェームズ・バートンらがいた。バートンは、デイル・ホーキンスの『スージーQ』のギターソロで有名で、70年代にはエルヴィス・プレスリーのTCBバンドにも参加していた。
Translation by Smokva Tokyo

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