プッシュ・ザ・スカイ・アウェイ

少々疲れた様子で戻ってきた暗闇のプリンス、ニック・ケイヴ。彼のもうひとつのバンド、グラインダーマンのノイズ・ロックが乱痴気騒ぎだとしたら、この執拗なまでに簡潔な本作は、まさにバーの隅っこで愛の話を延々と語り続ける疲れきった男のようだ。ポロンポロンと鳴るギターや拍動するベース、ゆったりとした微かなドラムといった細かいサウンドに溢れている。「ヒグズ・ボソン・ブルース」は、どこか笑いを誘うディラン風の楽曲だ。

RECOMMENDEDおすすめの記事


MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE