アート・ポップの先駆者ケリスが、かつてないほどソウルフルに迫ってくるのがこの6作目だ。2010年の前作ではEDMに乗せて宇宙の旅へと発射したが、今回は地上の喜びを人間らしく噛みしめて、セックスを食に喩えている。『となりのサインフェルド』の登場人物・ジョージ・コスタンザなら、よだれを垂らして喜びそうだ。だが、デヴィッド・シーテックによるミニマルなプロデュースが冷ややかで、生焼けのソウルといった仕上がりだ。

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