2006年、13名の女性とヨーロッパをツアーしたアントニー・ヘガティ。ステージでアントニーの隣に立つ彼女たちのなかには、トランスジェンダーもいた。本作における彼女たちの存在は大きく、「For Today I Am a Boy」といった楽曲では、より直接、聴き手の心へ働きかけるのに役立っている。「One Dove」「Daylight and the Sun」はアルバムで聴いても良いが、このライヴ盤では一段と素晴らしく聴こえる。演奏に合わせ、もろく壊れそうな、しかし力強い声で歌うへガティ。彼の芸術が表現するのは、最もディープな愛と、最もダークな痛みだ。

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